今回はインテルのデスクトップ向けCPUロードマップをアップデートしよう。前回インテルのデスクトップ製品を取り上げたのは、Sandy Bridge-E発表前の2011年8月だったが、当時は未確定だったSandy Bridge-Eベースの「Core i7 Extreme Edition」も無事発売された。また、既存のSandy BridgeベースのCore iシリーズにも若干ラインナップ追加があったほか、Ivy Bridgeベースの第3世代Core iシリーズの情報も大分見えてきた。今回はこちらをメインに解説しよう。
AMD FXの不発でいくつかの
Core i製品がキャンセル
まずは前回からのアップデートを少々。2011年10月に、既存の「Core i7-2600K」の動作周波数を、1段階上げた「Core i7-2700K」が発売された(関連記事)。定格動作周波数が3.40GHzから3.50GHzに、ターボ・ブーストの最大動作周波数が3.80GHzから3.90GHzと上がった以外の差はない。
価格はCore i7-2600Kが317ドルに対して、Core i7-2700Kは332ドル(いずれも本稿執筆時点の推奨小売価格)とやや高めだ。しかし円高のお陰もあってか、国内での店頭実売価格はCore i7-2600K発売時よりもむしろ下がっているという、ありがたい効果が生まれている。
この2700Kや、続く「Core i7-3000」シリーズは、Bulldozerベースの「AMD FX」シリーズを迎え撃つための布陣であった。しかし、そのAMD FXの不発もあって「これ以上の製品展開は必要ない」と判断されたようで、噂のあった「Core i7-3980X」と「Core i5-2550K」はいずれも見送りとなったようだ。
Core i5-2550Kは、AMD FXが「Core i5-2500K」をターゲットとした価格で投入されることに対抗して、既存のCore i5-2500Kの動作周波数をやはり1段階上げた製品になる予定だった。またCore i7-3980Xも、「Core i7-3960X」の動作周波数を、さらに1段階上げた製品である。
ところがフタを開けてみると、通常のアプリケーション性能ではAMD FX-8150ですら、Core i5-2500Kに並ぶとは言いがたい(関連記事2)。マルチスレッド性の高いアプリケーションであっても、なんとかCore i7-2600Kと同等程度。Core i7-3960Xには遠く及ばないという状況では、これ以上対抗した製品ラインナップを増やす必要はない、と判断されたようだ。これは賢明な判断ではある。
細かいところでは、2011年10月頃にCore i3のラインナップが追加された。従来は「Core i3-2100」から「Core i3-2120」までの4製品だったが、新たに「Core i3-2102/2120T/2125/2130」が加わっている。Pentium Dual-CoreやCeleronについても、同時期に後追いの形で製品が追加されている。これによりPentium Dual-Coreは最大3GHz、Celeronも2.5GHzまで動作周波数が引き上げられている。ただし、これらの製品はリテール向けというよりも、もっぱらOEM向けという意味合いが強い。
これに続き11月には「Core i7-3000」シリーズが発表された。こちらについてはすでに多くのレポートやベンチマークが出されているから、説明は不要であろう(関連記事)。ちなみに113回のレポートでは、Core i7-3960X/3930K/3820が同時発売と説明したが、実際はCore i7-3820のみ、2011年第1四半期(1月末~2月)の発売となっているのが相違点だ。
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