食べられるもの同士の組み合わせなんだから
── しかし、レシピの厳選具合がスゴいですよね。特に印象に残ってるのは、千切りキャベツ、マッシュポテト、炒めたひき肉など、コロッケの材料を一皿に重ねて盛った「ごっくんコロッケ」です。発想がスゴいなと感じました。
レミ そう! コロッケ作るのって、手順が多くて面倒くさいなーと思うじゃない? 息子が小さいとき「コロッケ食べたい」って言ったときに思いついたのよ。最初は「お母さん、これコロッケじゃない」って言われたんだけど、「ゴックンしたらコロッケよ」って。
「コロッケなのにパン粉がない!」っていうから、「そうか、カリカリ感ね」って、コーンフレークをパリパリパリパリってかけたり。そういうのでいいと思うのね。
── 料理のライフハックみたいな感じですね。特に男が料理するとなると「この材料を揃えて、この手順通りに……」と、ガチガチに考えこんでしまいがちですが。
レミ 結局は食べられるもの同士の組み合わせなんだからさ、どう料理しても食べられるものにはなるっていう考えが根底にあるの。それで作ってみて、これを足したり引いたりして考えてったら、何とかできちゃうのよ!
── な、何とかできちゃいますか!
レミ やってればできちゃうのよ! どんどん磨きがかかってくるからね。やってないとどんどんダメになっちゃうけど。やればやるほどいいのよ!
── そのレベルに達するまで何年かかるやら……。レミさんが「なんとかやれる」ようになったのはいつぐらいでした?
レミ 早かった! 和田さんはさ、最初に逢って結婚しようって言ったとき、「死ぬまでにあと何回レミの料理が食べられるかな」って言ったのよ。「わーッ、和田さんて食べる事に命かけてる」って。それ計算したらね、100歳まで生きるとしても数千回しか食べられないのよ。無限じゃないのよね。そしたらあたし、真摯な気持ちで料理作んなきゃいけないって思っちゃうじゃない。
── 「料理愛好家」という名前をつけたのもそのときですか?
レミ 昔はさー、料理愛好家って言葉がなくて、み~んな研究家になってたの。でもさ、料理は別に研究なんかするもんじゃなくてさ、歌いながらね、作ってゴックンして美味しければ幸せってもんだから、料理愛好家でいきたいって言ったのよ。家庭愛好家でも、夫愛好家でもあるしね。
── 愛にあふれてますねー! 最後に、今後もiPhoneアプリで新作を出されていきますか?
奥田 次は動画があっても面白いかもしれないという話をしています。これ以上は容量の関係でアプリ内に含められないので、YouTubeに飛ばすような形で。キッチリしたものじゃなくて、ホームビデオみたいにキッチンで撮っているような感じで。
── まさに家内制手工業ならでは! あとは、かわいいイラストがもっと増えるといいですね。
レミ じゃアレね、和田さんの出番をもっと増やさないとダメね!
── すごすぎる(笑)。楽しみにしてますよ!
(最後のページでレシピを紹介します!)