大日本印刷(DNP)とNTTドコモが共同出資するトゥ・ディファクトは、ドコモ スマートフォン向け電子書籍ストア「2Dfacto」を1月12日にオープンする。当初提供される電子書籍のタイトル数は約2万点。今春までには約10万点にまで拡大するほか、雑誌や新聞などの提供も目指す。
オンライン書店やリアル書店との連携で
新しい形のハイブリッド型書店を目指す
2DfactoはDNPが運営する電子書籍サービス「honto」をベースにしており、DNPのグループ企業であるオンライン書店「ビーケーワン(bk1)」やリアル書店(丸善、ジュンク堂、文教堂)との連携も大きな特徴である。
具体的には会員サービスの導入により、電子書籍ストア/オンライン書店/リアル書店の購入履歴を統合し、ユーザーへのリコメンド機能やポイントサービス、また紙の書籍を購入したユーザーにオンライン上の特典を提供するなどの機能を、出版社とともに提案していきたいという。同社ではこれらの特徴を“ハイブリッド型書店”と呼んでいる。
対応端末は、当初はドコモ スマートフォンである「Xperia」「GALAXY S」「GALAXY Tab」「LYNX 3D」「REGZA Phone」「Optimus chat」に加え、ブックリーダーの「SH-07C」の計7機種。今後リリースされるドコモ スマートフォンについても対応を予定するほか、iモード端末への対応についても「重要と考えている」(ドコモ 辻村氏)とした。
2Dfactoのコンテンツは「XMDF」「.book」などのフォーマットで提供されている。フォントにはDNPオリジナルの明朝体フォント「秀英体」を太字化したものを採用。縦組みでも横組みでも読みやすい表示が可能としている。
決済方法は当初はクレジットカードとWebMoneyのみの対応だが、2月以降にspモードのコンテンツ決済サービスを利用して、携帯電話の料金と合わせた支払が可能になる予定だ(SH-07Cはspモードに非対応)。
シャープ製のブックリーダー端末を発売
GALAPAGOSストアも利用可能
また今回のサービススタートに合わせて、シャープ製のブックリーダー端末「SH-07C」も1月21日に発売される。SH-07CはAndroidベースのタブレット型端末だが、純粋な電子書籍端末ということで、ユーザーがアプリを追加したり、音声通話を利用することは不可能。ただし電子書籍ストアとしては「2Dfacto」以外にも、シャープが運営する「TSUTAYA GALAPAGOS」の利用も可能になっている。
ディスプレーはタッチ操作対応の5.5型液晶で、画面解像度は600×1024ドット。サイズは約92×167×13.1mm、重量は約249g。microSDHCカードの追加が可能である。なお、SH-07C専用プランなどは用意されず、既存のデータ通信サービスと同じ料金プランで契約することになる。
ドコモ端末以外への対応については未定?
ソフトウェアの完成度アップに期待
会場にはドコモ スマートフォンやSH-07Cが用意されており、実際の2Dfactoのサービスを体験することができたが、ソフトウェアの作り込みの問題か、ページの表示や切り替えがややもたつく印象を受けた。
また、ユーザーが複数の端末で同一の電子書籍を読める「マルチデバイス1コンテンツ」機能、複数の端末で読んだ位置を共有できる「sync」機能については、2011年中の提供を予定しているとしたが、2Dfactoのドコモ端末以外への展開については「話し合いをしている最中」とのことだった。