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中卒ニートで赤塚賞! 「地獄のミサワ」のつかめない半生

2010年10月01日 12時00分更新

文● 広田稔、盛田諒

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あのウザさは「デリカシーのない子供」発祥

── 作家としてのバックボーンを聞かせてください。井上雄彦さんの作品以外で、影響を受けた漫画ってありますか?

ミサワ 「ワンピース」ですね。

曽田正人さんの「昴」や「capeta」も好きと言う


── ギャグ漫画はあまり読まれないんですか。

ミサワ 「ピュー!と吹くジャガー」とかは読んでましたけど、描きはじめてからはもう読まないようにしてます。

── 映画とかテレビドラマとか、好きな作品はありますか。

ミサワ えっ……作品? 好きな? 人が勧める映画を見るので、大体面白いです。


── この1本が心に響いたとか、そういうのはないんですか。

ミサワ 心に……えっ? 心に?


── いや、じゃあ音楽のジャンルとかは。

ミサワ J-POPが大体好きです。外人は分からない。大体メジャーなものが好きです。


── それじゃ取材旅行をされたりとか?

ミサワ しないです。どこかに行くみたいなことないです。好きじゃないことはないんですけど。理由がなかったら行かないでしょう、外。

ニート系キャラ「ナイト」25歳。ここまでゲームにのめりこんだ時期はなかったという


── 楽しいじゃないですか、外出たら。

ミサワ テレビ見てるのも楽しいじゃないですか。


── テレビ大好きとか?

ミサワ そんなすごい見てるわけじゃないですけど。家でぼーっとしててもいいし。


── その低刺激な趣味から、あのシュールなギャクが生まれてくるというのが信じられないです。実は変な友だちがいて、その方をネタ元にしているとか?

ミサワ それはありますね。「こいつイラッとすんなー」というのは小中学校のときの記憶から来てます。幼稚園の頃から、子どもってデリカシーないなとか、ムカつくなとか、そういう感覚があったんです。

 子どもから見る大人って、大体まともじゃないですか。でも、子どもから見る子どもってまともじゃないんですよ。「このゲームは3人用だからのび太は来ちゃダメー」みたいなことを平気でやるし、その場でバレるのに他人のうちのものを盗んだりする。そういうのに、うわって思った記憶がすごくあります。

最年少キャラ「玉木宏」12歳。子どもならではのウザったいキャラクター


── 漫画家になって、そんな暮らしに変化はありましたか。

ミサワ ないですね。変わると思ってたんですけどね。

── 期待はしてたんですか。

ミサワ 漫画家ってすごそうだなーと思ってましたよ。すごい生活が待ってるぞって感じだったんですけどね。どこにもなかったですね。


── あまり漫画家になったって実感はないですか。

ミサワ 中学校の頃から、やってること変わってないですからね。


── 赤塚賞を取って漫画家デビューし、ネットでも人気がうなぎ上りで、10月4日にはいよいよ初の単行本が出る。そんな現状をどう思いますか。

ミサワ 「あー、もうやめられないんだな」っていう感じです。出版社が利益を見込んで連載させたりしてるわけじゃないですか。明日から急にやめますとは言えない。自分がコントロールできないものがあるという、変な感覚ですね。



(次ページに続く)



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