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はじめてのサーバー導入奮闘記 第2回

買って最初にしたこと、それはR410の中身拝見!

何でもデュアル、高信頼性がウリのサーバーを分解した

2010年09月22日 09時00分更新

文● 花茂未来/インサイトイメージ

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SASとは何者だ!

 R410の内部パーツを見ていて、もうひとつ気になっていたのは、HDDの端子が見たこともない形状をしていること。一見SATA端子のようだが、端子部分がL時になっていない。ケーブル側もワニの口のような形をした端子形状になっている。

SAS規格HDDの端子部分

 HDDのラベルをみてみるとSASの文字があった。これは「Serial Attached SCSI」の略で、SCSIに変わる新しい接続規格のことだ。従来、SCSI規格のHDDは、イカソーメンを彷彿とさせるIDEケーブルのようなもので接続していた。しかしパラレル転送方式だったIDEがシリアル転送方式のSATAになったように、SCSIもパラレル転送がシリアル転送に変更された。そこで誕生したのがSASという接続規格だ。

 しかも、パラレル転送はデータを並列化して送るため、データにエラーが生まれることがあったそうだが、データを直列化して送るシリアル転送ではエラーが少ないので高精度な転送ができる。

ケーブル側の端子

 また、転送速度が最大6Gb/sということは、コンシューマー向けHDDで主流のSATA 2が3Gb/sなので、2倍の転送速度があるということになる。次世代規格のSATA 3と同じ転送速度だ。と、規格の概要は知っていても実際に使ったことが無かったので、本当に速いのか試してみた。


見たこともない数字に驚く

 今回オーダーしたR410では、RAID 5が構築されている。RAID 5は3台以上のHDDにデータ本体とパリティーと呼ばれる修復用データを書き込む仕組みになっている。RAID 0と同じくらい速くなるわけではないが、分散書き込み/読み込みはするため、転送速度が最大6Gb/sのSAS規格であれば、さらなる高速化が期待できるかも?

 しかも、RAIDカードを使ったハードウェアRAIDなので、ソフトウェアRAIDと違ってCPUの処理速度にも左右されない。そこで実際の速度を「CrystalDiskMark 3.0」にて計測してみた。比較対象は前ページで用いた検証用PCを使い、100MB/5回と1000MB/5回のベンチマークを実施した。

R410のベンチ結果(100MB/5回)

検証用マシンのベンチ結果(100MB/5回)

 おおおっ、見たこともない数値がでているぞ!。100MB/5回での結果は、シーケンシャルライト以外は圧倒的な速度が出ている。ただ、1000MB/5回の結果は、100MB/5回の結果ときれいに逆転して、シーケンシャルライトが驚異的に速く、それ以外は検証用マシンとあまり変わらない値となった。

R410のベンチ結果(1000MB/5回)

検証用マシンのベンチ結果(1000MB/5回)

 細かいデータの読み書きに加えて、巨大データの書き込みも速い。しかし、巨大データの読み込みは一般的なHDD並み、という特性がある様子だ。データ転送エラーを極力少なくできて、高速転送も可能。しかも、RAID構成時の高速データ転送も安心できるということなら、サーバーにもってこいだろう。

次回はファイルサーバーの構築に着手!

 ある程度サーバーのハードウェア的な構造は把握できたので、いよいよファイルサーバーの構築に取り掛かってみよう。

 そう思いながらサーバーをシャットダウンしようとしたところ「何のためにシャットダウンするのか」を選ぶ画面が出てきた。これを選ばないと電源を切れないようだ。

シャットダウンの理由を選ばないと、電源を切れない

 しかもこのときに選んだログはすべて記録されている様子。システム管理者以外が操作したり、遠隔地から不正な操作を受けた場合などをすばやく把握できるための配慮だろうか。うーん、奥が深い。

 新米管理者の奮闘記はまだまだ続く……いやこれから始まります!

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