SASとは何者だ!
R410の内部パーツを見ていて、もうひとつ気になっていたのは、HDDの端子が見たこともない形状をしていること。一見SATA端子のようだが、端子部分がL時になっていない。ケーブル側もワニの口のような形をした端子形状になっている。
HDDのラベルをみてみるとSASの文字があった。これは「Serial Attached SCSI」の略で、SCSIに変わる新しい接続規格のことだ。従来、SCSI規格のHDDは、イカソーメンを彷彿とさせるIDEケーブルのようなもので接続していた。しかしパラレル転送方式だったIDEがシリアル転送方式のSATAになったように、SCSIもパラレル転送がシリアル転送に変更された。そこで誕生したのがSASという接続規格だ。
しかも、パラレル転送はデータを並列化して送るため、データにエラーが生まれることがあったそうだが、データを直列化して送るシリアル転送ではエラーが少ないので高精度な転送ができる。
また、転送速度が最大6Gb/sということは、コンシューマー向けHDDで主流のSATA 2が3Gb/sなので、2倍の転送速度があるということになる。次世代規格のSATA 3と同じ転送速度だ。と、規格の概要は知っていても実際に使ったことが無かったので、本当に速いのか試してみた。
見たこともない数字に驚く
今回オーダーしたR410では、RAID 5が構築されている。RAID 5は3台以上のHDDにデータ本体とパリティーと呼ばれる修復用データを書き込む仕組みになっている。RAID 0と同じくらい速くなるわけではないが、分散書き込み/読み込みはするため、転送速度が最大6Gb/sのSAS規格であれば、さらなる高速化が期待できるかも?
しかも、RAIDカードを使ったハードウェアRAIDなので、ソフトウェアRAIDと違ってCPUの処理速度にも左右されない。そこで実際の速度を「CrystalDiskMark 3.0」にて計測してみた。比較対象は前ページで用いた検証用PCを使い、100MB/5回と1000MB/5回のベンチマークを実施した。
おおおっ、見たこともない数値がでているぞ!。100MB/5回での結果は、シーケンシャルライト以外は圧倒的な速度が出ている。ただ、1000MB/5回の結果は、100MB/5回の結果ときれいに逆転して、シーケンシャルライトが驚異的に速く、それ以外は検証用マシンとあまり変わらない値となった。
細かいデータの読み書きに加えて、巨大データの書き込みも速い。しかし、巨大データの読み込みは一般的なHDD並み、という特性がある様子だ。データ転送エラーを極力少なくできて、高速転送も可能。しかも、RAID構成時の高速データ転送も安心できるということなら、サーバーにもってこいだろう。
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