9月10日、デルはXeon 3400番台を搭載したSMB(Small&Medium Business)向けのサーバやストレージを発表し、その説明のためのメディアブリーフィングを実施した。同社が得意とする低価格サーバの分野で、他社に先駆け製品をアピールした形だ。
Xeon 3400導入のお手頃サーバ
メディアブリーフィングにおいてデル株式会社 SMBマーケティング本部 北アジア地域 本部長 原田 洋次氏は、今年に入ってからのサーバ事業の取り組みについて説明した。
まず2009年4月のXeon 5500の発表に合わせたメインストリームとなる第11世代(以下、11G)のサーバ、ストレージ、サービスをまとめて発表し、6月には仮想化やHPCを中心としたITの効率化をテーマにした製品群を投入した。そして、今回は先頃発表されたXeon 3400を搭載可能な1ソケットサーバを中心に、SMB向け製品を一気に投入する。サーバ、ストレージ、サービスなどをまとめて投入するのは、ハードウェア売りからソリューションベンダーへの脱却を図る最近のデルの得意パターンである。
原田氏は500人以下の従業員を抱える日本のSMBの課題と特徴として、(1)電力・スペースの有効活用、(2)サーバ・ストレージの増加、(3)管理者の不足、(4)管理費の割合が高い、(5)運用コストより初期導入コストを重視、といった5つを挙げた。コストなどの規模は大きく異なるものの、昨今はエンタープライズの要件にかなり近づいているという。
こうした課題に対して、今回発表される11GサーバのSMBモデルでは、設定の容易さ、信頼性の高さ、データ保護などの解決策を提示する。具体的には、省電力性能に優れたXeon 3400番台をいち早く搭載したモデルを投入するほか、サーバの初期設定をメディアレスで行なえるDell Lifecycle Controller 1.2やソフトウェアRAIDの無償提供などを盛り込んだ。発表された製品は以下の通り。
Dell PowerEdge T110
1ソケットのタワー型サーバで、4台のHDD、4つのDIMMスロットを搭載する。9月30日出荷開始。
Dell PowerEdge T310
1ソケットのタワー型サーバで、4台のHDD、6つのDIMMスロットを搭載する。前面に状態表示用の小型ディスプレイを備える。9月16日出荷開始。
Dell PowerEdge R210
1ソケットの1Uラックマウント型サーバで、2台のHDD、4つのUDIMMスロットを搭載する。背面にデュアルのギガビットポートとeSATAポートを装備した。9月30日出荷開始。
Dell PowerEdge R510
2ソケットの2Uラックマウント型サーバで、12台のHDD、8つのDIMMスロットを搭載する。Xeon 5500番台を搭載。10月16日出荷開始。
Dell PowerVault NX300
1Uラックマウント型NASで、最大4TBを単体で搭載。1台のNX300アレイを追加できる。OSにWindows Storage Serverを採用する。
その他、10種類のUPS製品も発表された。想定価格はDell PowerEdge T110やR210は11万円前後、R510が最小構成で20万円以下となっている。
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