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はじめてのサーバー導入奮闘記 第2回

買って最初にしたこと、それはR410の中身拝見!

何でもデュアル、高信頼性がウリのサーバーを分解した

2010年09月22日 09時00分更新

文● 花茂未来/インサイトイメージ

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Xeonっていったい何が違うの?

 ここまで、Xeon=高級ブランドという意識にとらわれていたが、コンシューマ向けCPUとの違いは何だろう?

 Xeonは2009年3月に発表されたNehalemアーキテクチャ世代からは、基本的な構造はCore i7と変わらないはず。チップセット(IOH)とCPUの接続に、FSBではなくQPIが使われているのもCore i7と同じ。同クロック/同コア数なら処理速度もほぼ変わらない。

 ソケット規格もLGA1366で、コンシューマー向けCore i7用マザーボードに搭載されているX58チップでも動く。

 ただ、スペックを見比べると、現在のXeonは4.8~6.4GT/sの帯域を2レーン確保している。一方のCore i7は、2.5~6.4GT/sで1レーンとなっている。手に入れたR410ではRAID 5が構築されていて、フル稼働させると恐ろしいデータ量がチップセットを経由して流れることもあるので、こうした場合に性能差が生じそうだ。

 ECCメモリーに対応しているのも違いのひとつ。ECCメモリーは、送られてきたデータに誤りがあった場合に訂正してくれる機能を持っている。しかも、万が一データに誤りが生じてもシステムを問題なく稼働させ続けてくれるというものだ。

 ただ、メモリー内でエラーの有無をチェックするため、速度は期待できないらしい。そこで、メモリー速度のベンチマークを実施して、用意した検証用マシンと比較してみた。「CrystalMark 2004R3」は、4コアまでにしか対応していないので、メモリー以外の項目は参考値としてほしい。

R410のテスト結果

こちらは検証用マシンの結果。マシンスペックは、CPUにCore i5-750(2.67GHz)、DDR3-1333準拠のメモリーを4GB、500GBのHDD(SATA2、7200rpm)×1基を搭載。OSはWindows 7 Ultimate 32bit版

 検証用マシンと比較すると、メモリーのスコアが伸びていない。読み込み速度と書き込み速度も半分以下の速度だ。

 また、Xeonは高品質なウェハーからのみ製造されるので、安定性も抜群とのこと。僕はメモリーが遅くて困ったことはないし、グラフィックスカードが燃えてチップが弾け飛んだことはあっても、CPUがエラーを出したり、まして爆発したこともない。しかし、サーバーは高負荷状態が延々と続くことも多いので、滅多に壊れないCPUでも、さらに良質なものをつかって信頼性を高めているということだろう。


Xeonの魅力は何と言ってもマルチCPU

 そして、XeonといえばマルチCPUだ! サーバーは不特定多数の人間が同時にアクセスして、それぞれが要求した処理をこなさなければいけない。となると、コアの数が勝負になってくるのでは? と思い、「CINEBENCH」にて同時処理の速度を計測してみた。

R410の結果

検証用マシンの結果

 R410はXeon E5506(2.13GHz)を2基搭載し、合計8コア。一方、検証用マシンはCore i5-750(2.67GHz)を1基搭載し、4コアとなっている。結果はやはり、コア数の多いXeonのスコアが高い。

 とはいえコンシューマ向け製品でもSkulltrailというプラットフォームに対応したマザーボードとCore 2 Extreme QX9775(3.2GHz)が2基あれば、2CPUマシンを作ることはできる。

 ただ、Core 2 Extreme QX9775の実売価格は17万円前後、Skulltrailプラットフォーム対応のインテル純正マザーボード「D5400XS」の実売価格は約7万円前後になる。シングルスレッド処理もマルチスレッド処理も高速化したい場合は、周波数が高くて2CPU動作も可能なSkulltrailプラットフォームを利用するのも手だろう。

 しかし、CPUとマザーボードだけで約41万円と高額だ。

 Xeonも値段はピンキリだが、製品を選べばコストを抑えつつ8コアマシンを作ることができる。サーバーは気軽に電源を落とせないし、長期稼働させるものなので、何よりも安定動作が最重要になる。そのうえで、複数の作業を同時処理することが求められるので、サーバーには品質が良く、ECCメモリーに対応し、メモリー帯域幅も広いXeonが最適ということだろう。ふむふむ、なるほど。

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