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ブラック★ロックシューター&ミク仕様の痛単車がレースに挑んだ!

痛単車もモータースポーツに参戦! 鈴鹿FUN&RUNレポート

2010年08月13日 23時33分更新

文● 中村信博

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痛単車の戦いが始まる!

 「TEAM-VOCALOID & JUDGEMENT 初音ミク」CBR600RRを駆るのは、若干25歳の桂山拓也選手。整備系の専門学校生だった19歳の頃から2輪レースをはじめ、これまでは排気量80cc以下のクラスを中心に参戦してきた。いくつかのチームを渡り歩いてきたが、2009年以降はフリーとして草レースを中心に参戦。そして「街乗り車でも本気でレースに参加するなら、技術面などをバックアップする」と現在の監督に誘われたのだとか。

 桂山選手「これまでは草レースが活動の中心でしたが、自分の本気のライディングがどこまで通用するのか試してみたくなって、今回のイベント参戦を考えたのが発端です。別の機会に知り合ったイラストレーターさんがモータースポーツ好きだったこともあって、この人のイラストでカラーリングした痛単車でレースに出場したら、色んな人から2輪モータースポーツに興味を持ってもらえるんじゃないか、という思いもありましたね。昔からレーサーのカラーリングが大好きだったし、自分もアニメ好きですから、レース風にデザインされた痛単車で出場できるのは嬉しいですね!」

この痛単車オーナーの桂山拓也選手。25歳といえど、レース経験は豊富なのだ

 朝10時、車検開始。各マシンが車検場へと持ち込まれて、係員の手でレギュレーションに沿って厳密にチェックされる。だが、基本的に「ROAD STAR CHALLENGER」クラスはナンバー付き車両であればOKというカテゴリーなので、レギュレーションは非常にゆるい。現状ではマフラーとサスペンションを交換している程度の「TEAM-VOCALOID & JUDGEMENT 初音ミク」CBR600RRの場合、リヤのゼッケンの位置を若干移動させるように指摘されただけで、すんなりと車検を通過することができた。

メカニカル的なことでは車検に引っかからなかったが、ゼッケンの位置をずらすようにお達し。失格にならなくてよかった

 12時45分~、いよいよコース下見を兼ねたフリー走行が開始される。桂山選手が出場する「ROAD STAR CHALLENGER 1」クラスのC3カテゴリーは、それぞれ2ストローク251cc以上もしくは4ストローク401cc以上のマシンで争う「ROAD STAR 1」「ROAD STAR EXPERT 1」クラスの各カテゴリーマシンとの混走だ。ピットレーン出口に設けられたウェイティングエリアで各マシンの整列を待ったあと、桂山選手はセッション開始の放送とともにコースインしていった。

 桂山選手にとって、本番イベントとしては初めてのCBR600RRによる鈴鹿フルコース。このフリー走行では、マシンの調子を確かめるために徐々にペースを上げていく作戦だったようだ。「TEAM-VOCALOID & JUDGEMENT 初音ミク」CBR600RRの1周目のタイムは、「3'19.4」。

 山嵜竜大監督にこのタイムの感想を聞いてみると、「まだまだこんなものじゃないですよ」と自信ありげ。すかさずサインボードにペースアップの指示が出され、桂山選手のスピードは毎周回ごとに速くなっていく。途中、エンジンのアイドルをチェックするために1度ピットインしたが、最終的には「3'03.6」をベストタイムとしてフリー走行を終えることができた。

 桂山選手「練習走行を含めるならCBR600RRでは2度目となる鈴鹿フルコースだったけど、腕が追いつかなくて途中で死ぬ思いをしました(笑)。ストレートエンドのブレーキングでフロントサスの沈み込みが急すぎて、ショックアブソーバの減衰力セッティングが柔らか過ぎたのかもしれません。本番では少し固めのセッティングで走行したいと思います」

 本番アタック前、桂山選手はパドックの中で念入りにストレッチを続けている。本番前はいつも緊張して身体の具合がおかしくなるそうで、今回はじっくりとストレッチしてコンセントレーションを高めているようだ。一方、マシンのほうはショックアブソーバの再セッティングも終了して、本番アタックに向けて準備万端の状態。やがてマシンにまたがった桂山選手は、山嵜監督からの声援を背にゆっくりとコースに乗り出していった。

(次ページへ続く)

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