このページの本文へ

最新パーツ性能チェック 第95回

CORSAIR製SSDを破壊! 限界性能は軍事並み!?【前編】

2010年07月19日 12時00分更新

文● 藤山 哲人

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

テストに使ったSSDとHDDはこれだ!

 今回の餌食――。じゃなかった検査対象は、次のディスクだ。

CORSAIR製2.5インチSSD
「CSSD-F60GB2-BRKT」

SandForce製コントローラ「SF-1200」を搭載した「Forceシリーズ」の新製品。容量は60GB

 先日、SSDマニアの池座氏が性能をレポートしていたヤツだ。ここで筆者が説明するより、「メモリ界の大御所CORSAIRが作るSSDはやっぱり凄かった」を読んでもらったほうが、よっぼどマニアックで正確な解説なので性能は割愛。っつーか、早く壊してーんだよ!

日立グローバルストレージテクノロジーズ製3.5インチHDD
「HDS721016CLA382」

Serial ATA、容量160GB、回転数7200rpm、キャッシュ容量8MBというスペックのごく普通のHDDだ

 「今どき160Gかよ!」というツッコミOK。だがっ!

 じゃぁ、お前ら実験するたびにフォーマットやらチェックディスクしてみろ!

 なのである。1TBの全セクターをチェックディスクしてたら、寝落ちしちゃうでしょ?フツー。面倒くさいんじゃなくて、合理的だから160GBなの!
 あと一番安いのを買ってくれば、余計なセーフティー機能も付いてなくて壊れやすいかな~?なんて、大人の思惑も少々ある。とにかく我々のミッションは、ディスククラッシュさせることにあるのだ。

電源を入れた瞬間から小刻みに揺れるHDD!

 まず振動のない状態での検査を行なおう! っと思いきや、Gセンサーが揺れを感知。横1目盛りは20m秒となっているが、18m秒間に2回の山が見て取れるので、1山9m秒といった感じだろう。これを周波数に換算してみると、111Hzという値になる。一方、振動の原因と考えられるのは、HDDのモーターだ。7200rpm(回転/分)なので1秒間に換算すると120回転/秒となり、120Hz相当。揺れの強さは微々たるものだが、据え付けが悪い筐体にHDDを取り付けるとビビる原因はコレだっ!

HDDの上下の揺れ

左右の揺れ

前後の揺れ

 ちなみにHDDの電源を切って測定すると、振動していないのが分かる。

左から上下、左右、前後の揺れ

 1900円で買ったGセンサーモジュールだけどコイツ面白いな! このセンサーはジャンパを変えるだけで、最大1.5G、4G、6Gの切り替えができるので、詳しく調べたい人は自由研究ってコトで。ちなみにマニュアルはネットからダウンロードする英文PDFで、かなり端折った説明になってるのが難点。外人さんたちも「なんだよ! こーじゃねーのかよ! マニュアルに書いてネーじゃん!」とBlogに書いている人が多数。もっともテスターだけだと、測定は難しいケド。
 そして忘れちゃならないのが測定用ソフト。次のようなオリジナルのプログラムを書いてみた。

●書き込むのは10Mバイト(10,551,296バイト)のファイル。データはすべてが00hで埋められたものと、FFhで埋められた2種類を用意して、交互に書き込む。常にビットが落ちている・立っている領域(セクタ)がないかを調べるためにこうしたが、ファイルが同じ領域に書き込まれる保証はない(笑)。

●100回に1回書き込んだデータを読み込んで、すべてが00hまたはFFhかを調査する。ここで異常を見つけたらデータクラッシュとみなして実験中断。10Mバイトのデータ1つずつを調べているので、約50秒ほどかかっているのに注意。10回チェックしている場合はテスト時間のうち8分以上がチェックしている時間になっている。

抜き打ちのファイル内容検査中。20億回までテストできるように作ったけど、計算したら30年かかることが判明……。オーバースペック過ぎもイイとこ

●ファイルの書き込みには、Windowsのシステムが持つFileSystemObjectのFile.Copyを利用した。以降に登場するデータ転送レートは、一般的なベンチマークの読み書きレートとは異なるので注意。コピー元からファイルを読んで、コピー先に書き込んでいるので、転送レートはかなり遅くなる。

●いったん書き込んだファイルは、Windowsのシステムが持つDeleteFileを利用し削除。これで1セットのテスト終了。

 以上のような測定用ソフトを用意したところで、いよいよテスト開始だ。

2010/07/14 2:34:17 Phase 1 書き込み開始 D:\HDD_TEST\FF_0000000001.BIN
2010/07/14 2:34:18 Phase 1 書き込み終了 78ms (Transfer Rate 2,051Byte/Sec)
2010/07/14 2:34:18 Phase 1 削除開始 D:\HDD_TEST\FF_0000000001.BIN
2010/07/14 2:34:18 Phase 1 削除終了

2010/07/14 2:34:18 Phase 2 書き込み開始 D:\HDD_TEST\00_0000000002.BIN
2010/07/14 2:34:18 Phase 2 書き込み終了 94ms (Transfer Rate 1,702Byte/Sec)
2010/07/14 2:34:18 Phase 2 削除開始 D:\HDD_TEST\00_0000000002.BIN
2010/07/14 2:34:18 Phase 2 削除終了

 という具合に、10Mバイトのファイルを100m秒以内でコピーしているのが分かるが、どうやら3回目以降はキャッシュにヒットしているようだ。

2010/07/14 2:34:18 Phase 3 書き込み開始 D:\HDD_TEST\FF_0000000003.BIN
2010/07/14 2:34:18 Phase 3 書き込み終了 31ms (Transfer Rate 5,161Byte/Sec)
2010/07/14 2:34:18 Phase 3 削除開始 D:\HDD_TEST\FF_0000000003.BIN
2010/07/14 2:34:18 Phase 3 削除終了

2010/07/14 2:34:18 Phase 4 書き込み開始 D:\HDD_TEST\00_0000000004.BIN
2010/07/14 2:34:18 Phase 4 書き込み終了 31ms (Transfer Rate 5,161Byte/Sec)
2010/07/14 2:34:18 Phase 4 削除開始 D:\HDD_TEST\00_0000000004.BIN
2010/07/14 2:34:18 Phase 4 削除終了

 このため10Mバイトのファイルを31msでコピーを終えている。そして100回目のデータ検証はこんな具合だ。

2010/07/14 2:34:23 Phase 100 書き込み開始 D:\HDD_TEST\00_0000000100.BIN
2010/07/14 2:34:23 Phase 100 書き込み終了 31ms (Transfer Rate 5,161Byte/Sec)
2010/07/14 2:34:23 Phase 100 検証開始 00_.BIN
2010/07/14 2:35:20 Phase 100 検証終了 結果:NORMAL
2010/07/14 2:35:20 Phase 100 削除開始 D:\HDD_TEST\00_0000000100.BIN
2010/07/14 2:35:20 Phase 100 削除終了

 200回目のテストでは、中身がFFhのファイルを検査。これを繰り返し、10Mバイトのファイルを1000回コピーするのにかかった時間は、9分20秒だ。
 振動のない状態でHDDに1000回ファイルをコピーしたが、データがクラッシュすることもなくテストを終えた。

(次ページへ続く)

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中