グローバル企業がいまやっていること、日本企業がやるべきこと
続いて、ブログ「Online Ad」を運営するパワーレップの笠井孝誌氏が、「欧米企業のソーシャルメディア化がもたらす日本ブランドの危機」と題して講演した。海外向けのマーケティング・コンサルティングを手掛ける笠井氏は、欧米企業の事例を紹介しながら、日本企業のグローバルなマーケティング活動の必要性を訴えた。
笠井氏は現在の主要なソーシャルメディアが出揃った2006年から、「ブランドコントロール」が消費者に移る大転換(パラダイムシフト)が始まったとする。「従来は企業が膨大な資金を使って守ってきたブランドのコントロールが、完全に消費者の手に移ってしまった」
ソーシャルメディアにおけるユーザーのエンゲージメント(結びつき)を、どのような対話、コンテンツの共有を通じて構築していくかが重要になってきている。「メッセージをコントロールするのではなくオープンで対等なコミュニケーションするにはどうしたらいいかが議論されるようになった」
しかし、ソーシャルメディアがもたらすマーケティング活動の変化は既存のマーケティング手法や実施する組織とのギャップを生み、「欧米企業でも二極化が進んでいる」という。「マーケティング、広告、IRなどの縦割り組織を温存して、いままでと同じようにメガホンキャンペーンをやろうという企業も残っている」
では、日本企業はどうしたらよいのか。笠井氏は、ソーシャルメディアの力を最大活用するには、「英語」の採用と「デジタルネイティブ」に対する対応が必須だと説明する。コンテンツを英語化することで、非英語圏を含む世界中のユーザーからのアクセスが期待できる。そして今後の購買層の中心であり、ソーシャルメディアを使いこなすデジタルネイティブが、ブランドコントロールのカギを握るようになるという。
ソーシャルメディアへの対応なくしては、日本ブランドの海外での存在感はますます薄れる。従来のマスメディア中心のブランドマーケティングからソーシャルメディアへのパラダイムシフトが急務だとして笠井氏は講演を締めくくった。
内田洋行がソーシャルメディアで伝える「ユビックライト」
本セミナーの会場となった内田洋行のCANVAS。ユビキタス・プレイスをコンセプトとし、天井に配置されたアルミ枠に備え付けられたLED照明が印象的な空間だ。
内田洋行の新型LED照明「ユビックライト」は、省電力であることはもちろん、光の色温度を変化させることで、その時々の目的に即した演出ができるという。まだまだオフィスでは馴染みの薄い機器だが、イメージキャラクターの2人からもUstreamやTwitterといったソーシャルメディアを通じて情報発信していくとのことだ。