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Facebookが台湾で「キャズム越え」の事情とヒント

2011年02月28日 15時30分更新

文●松田有加/マインドフリー

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 Facebookが生活、ビジネスに与える影響を考えるセミナー緊急開催!ソーシャルが開く2011年のビジネスチャンス~ネット、コマース、広告、マーケティングが変わる~が2月18日、大阪市内にて開催された(主催=TechWave、マインドフリー)。TechWave編集長の湯川鶴章氏、ループス・コミュニケーションズ 代表取締役の斉藤 徹氏らが登壇し、ソーシャルメディアの概論からFacebook活用のポイントを探った。

ソーシャルが引き起こす業界再編

 TechWaveの湯川氏は、ゲーム業界を例に、ソーシャルメディアが起こすパラダイムシフトを予測した。ゲーム業界ではすでにソーシャルゲームのジンガ(Zynga)が、老舗の大手ゲーム会社エレクトロニック・アーツを時価総額で上回るほどの急成長ぶりを見せているという。こうした勢力図を塗り替える動きはゲーム業界にとどまらず、音楽、書籍、映画、コマース、マーケティングといった業界でも今後起こってくるだろうと予測した。

TechWaveの湯川鶴章氏

ソーシャルメディア活用の成功パターン

 ループス・コミュニケーションズの斉藤氏は、利用者がキャズム(全人口の16%)を越えたFacebookの現状や、海外での成功事例をもとに、ソーシャルメディアによる企業と顧客の関係変化について語った。

 斉藤氏によると、ソーシャルメディア活用の成功パターンとして以下の4つがあるという。

コンテスト型
Pepsi社会貢献プロジェクトのような、コンテスト開催
共同購入型
Grouponのような、共同購入クーポン販売
マーケットプレイス型
Etsy、eBay、Threadlessのような、個人売買市場
セルフブランディング型
ブログサービスのような、セルフブランディングの場

 斉藤氏は具体例としてグルーポンなどの海外事例を挙げ、これら4つのパターンを具体的に解説した。

ループス・コミュニケーションズの斉藤 徹氏

こんなに進んでいる台湾・香港のFacebook活用

 マインドフリー 代表取締役のレオン・メ・イ・ダニエル氏による「Facebookページのプロモーション海外事例紹介」では、Facebookページの活用が進んでいる台湾や香港での事例から、利用状況や利用シーンの違いを紹介。日本ではファン数の増減にばかり目が行きがちだが、月間アクティブユーザー数900万人を超える台湾を例に挙げ、「今後は月間アクティブユーザー数を重視すべき」との考えを強調した。

 レオン代表は台湾でのFacebookのプロモーション事例として、「セブン&アイ」「KIRIN」を紹介した。セブン&アイは、ARを活用したファンの写真投稿キャンペーンを展開。写真を投稿したユーザーが来店するとプレゼントを渡すキャンペーンで、82万人ものファンを獲得したという。一方、「KIRIN」は台湾の建国100周年に合わせて、Facebook上でユーザー同士が「乾杯」するキャンペーンを実施。1か月で6万人ものユーザーが参加し、短期間で一気に認知を高めたという。

 このほかレオン代表は、自社メディアにFacebookの仕組みを取り入れる仕組みや、ソーシャルメディア機能を実装したWebサイトを紹介した。

マインドフリーのレオン・メ・イ・ダニエル氏

Facebookページのプロモーション活用事例

 マザーの宮本健志氏による「Facebookページのプロモーション事例紹介」では、Facebook活用の先進的な事例として、ローソン、コカ・コーラパークが展開したキャンペーンを紹介した。最近ではこうしたBtoCだけではなく、BtoBで活用する企業も出てきているという。たとえば、福井のメッキ加工業者「三和メッキ工業」では、USTREAM配信やキャラクター制作、Wallでの積極的情報発信によって、自社のサービスや技術の理解を促進していると説明した。

Facebookページのプロモーション活用事例」マザー株式会社 宮本健志氏

 セミナー参加者へのアンケートでは、参加者約60名のうち約60%がFacebookを利用していると回答した今回のセミナー。すでにFacebookをビジネスで活用している、もしくは活用を検討している参加者も70%を超え、ソーシャルメディアの企業活用への関心の高さが伺えた。

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