1年3ヵ月ぶりに登場したNVIDIAのハイエンドGPUとして、ゲーマーから大いに注目された「GeForce GTX 480」だが、発売から1ヵ月以上が経過して、ようやく各社が出揃った感じだ。発売直後の極端な品薄は完全に解消され、全体的に値下がり傾向になっている。買い時になってきているといえる今、「GeForce GTX 480」のオーバークロック耐性を徹底チェックしてみた。
通常だと検証するPCパーツはメーカーに貸してもらうのだが、貸し出し用のサンプル品や試作品だと市場に出回っている製品とオーバークロック耐性が大幅に違うことがまれにある。そのため今回はZOA秋葉原本店の店長を拝み倒して、店頭に並んでいる製品を貸していただいた。なお、検証に使った製品は「どれでも好きなの持って行って」という店長のお言葉に甘えて、GPUの電圧を変更できるオーバークロックユーティリティー「Afterburner」(アフターバーナー)が付属するMSI製のビデオカード「N480GTX-M2D15」を選んだ。なお、「GeForce GTX 480」の基本スペックや性能は「NVIDIAが威信をかけた「GeForce GTX 480」はその名に恥じぬ性能?」を参照してもらいたい。
【店舗データ】
ZOA秋葉原本店
WEBサイト:http://www.zoa.co.jp/
住所:東京都千代田区外神田 3-8-1 YSビル (GoogleMap)
電話番号:03-5297-2100
営業時間:平日土日祝祭日 10:30~19:30
テスト環境
早速オーバークロック耐性限界を検証していきたい。テスト環境のCPUは、CPUがボトルネックになってGPUの性能をフルに発揮できないことを防ぐために、動作クロック3.20GHzの「Core i7-960」をチョイスしている。グラフィックドライバーは最新の「GeForce Driver 197.75」を利用した。なお、テストはPCケースに納めずにバラック状態で行なっている。さらに「GeForce GTX 480」のクーラー部分に直接風があたるように12センチファンを1基設置している。
テスト環境 | |
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CPU | Intel「Core i7-960」(3.20GHz) |
マザーボード | ASUSTeK「P6X58D Premium」(Intel X58 Express) |
メモリー | DDR3-1333 2GB×3 |
ビデオカード | MSI「N480GTX-M2D15」(GeForce GTX 480) Sapphire「HD 5870 1G GDDR5 PCIE DUAL DVI-I/HDMI/DP」(RADEON HD 5870) |
HDD | Seagate「Barracuda 7200.11 ST31500341AS」(1.5TB) |
光学ドライブ | パイオニア「DVR-S17J-BK」 |
電源 | オウルテック「Seasonic Xseries SS-750KM」(750W) |
OS | マイクロソフト「Windows 7 Ultimate」(32bit) |
グラフィックドライバ | GeForce Driver 197.75(2010/05/10更新) NVIDIA System Tools with ESA Support 6.06(2010/04/09更新) |
ビデオカードのオーバークロックには付属の「Afterburner」(アフターバーナー)を利用するつもりだったのだが、現状MSIのサイトで公開(5月27日現在)されているバージョン1.5.1は各種クロックの表示がヘンになっており、「GeForce GTX 480」に対応していないことが発覚……。各種ドライバーやオーバークロックツールなどが公開されている「Guru3D」(http://www.guru3d.com/)にアップされているベータ版の「Afterburner 1.6.0 Beta 6」(6月1日更新)なら、問題無くコアクロック、CUDAクロック(シェーダークロック)、メモリクロックの変更ができるようになっている。ただ、MSI製以外の「GeForce GTX 480」を既に所有しているひとも多いかと思うので、定格電圧でのオーバークロック設定はNVIDIAのシステムツール「NVIDIA System Tools with ESA Support」を使用して変更することにした。オーバークロック時に重要なGPU温度の計測には定番GPUツールの「GPU-Z」(http://www.techpowerup.com/)を利用している。
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