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いま旬のビジネスPC 第3回

1台のPCを10人で同時利用

USB接続でカンタン構築、HPのシンクライアントを試す

2010年04月19日 09時00分更新

文● 花茂未来/インサイトイメージ

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2つのライセンス形態があり、購入方法も2通り

 OSのライセンス形態は、VL(ボリュームライセンス)版とOEM版の2種類があるため、販売形態も2種類に分かれる。

 具体的にはVL版の場合、ホストPCの台数分のWindows MultiPoint Server 2010のライセンスとシンクライアントの台数分のCALを購入する。

 またVL版は、Windows Server 2008などにドメイン参加が可能で、Windows MultiPoint Server 2010を利用する際のアカウントをActive Directory環境のなかで一括に管理でき、セキュリティーポリシーも適用できるというメリットがある。ただし、学校などアカデミック用途での購入に限定される。

 一方、OEM版ではホストPCにWindows MultiPoint Server 2010がプリインストールされており、シンクライアントのCALも台数に応じて付加されている。OEM版は、一般企業でもアカデミック用途でも購入できるがドメインへの参加ができないので、企業ユースの場合はActive Directory環境での管理が必要かどうかが購入の分かれ道だ。

ホストPCのラインアップ
モデル名 ライセンス形態 価格
ms6000 Essential/MultiPoint OEM 9万2400円
ms6000 Extended/MultiPoint OEM 11万3400円
ms6000 Essential/FreeDOS VL 7万1400円
ms6000 Extended/FreeDOS VL 9万2400円
シンクライアント端末のラインアップ
モデル名 ライセンス形態 価格
t100 w/CAL OEM 1万2600円
t100 for Academic VL VL 7035円

学校でも企業でも低コストで導入・運用できる製品!

 ホストPCを複数ユーザーで使用するため、コスト削減も期待できる。そこで、仮に40人分のPCを用意すると考えた場合の金額をVL版とOEM版で算出してみた。

 なお、シンクライアント端末の対応解像度は最大で1440×900ドットゆえ、19型ワイド液晶ディスプレーの実売価格の約2万円で計算した。

VL版での購入価格イメージ
製品名 単価 台数 価格
ms6000 Extended/FreeDOS 9万2400円 4 36万9600円
T100 for Academic VL 7035円 40 28万1400円
Windows MultiPoint Server 2010 2万1000円 4 8万4000円
CAL 5300円 40 21万2000円
19型液晶ディスプレー 2万円 40 80万円
合計 174万7000円
OEM版での購入価格イメージ
製品名 単価 台数 価格
ms6000 Extended/MultiPoint 113400 4 45万3600円
t100 w/CAL 12600 40 50万4000円
19型液晶ディスプレー 20000 40 80万円
合計 175万7600円

 VL版は一人当たり4万3675円で、OEM版では4万3940円となる。Celeronなどを搭載した安価なデスクトップPCやネットブックに相当する価格だ。

 しかし、オフィスソフトやウェブサイト閲覧をするにもストレスなく動作し、いざという時にクアッドコアCPUの処理能力を生かせる。しかもエネルギーコストが低いため、運用コスト削減につながる。

 さらに、MultiPoint マネージャーにより手軽な管理を実現した本製品は、学校はもちろん企業でも文書作成などが限定した用途が中心なら導入を検討する価値がある。初期導入コストはもちろんだが、集中管理ができ、セキュリティー面での運用コスト低減が見込める点は、TCOの低減効果も期待できるだろう。

ms6000/Extendedの主な仕様
CPU Core 2 Quad Q9400(2.66GHz)
メモリー 6GB
グラフィックス Q43 Express内蔵
ストレージ HDD 500GB
外部インターフェース USB 2.0×10、アナログRGB出力、モデム、1000BASE-T LANなど
サイズ 幅100×奥行き338×高さ379mm
重量 7.26kg
価格 11万3400円

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