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アキバで恥をかかないための最新パーツ事情2010 第1回

知ったかできるパーツ基礎知識【CPU、マザー、メモリ編】

2010年04月19日 12時00分更新

文● G&D Matrix

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LGA1156とGPUが統合されたCPUの登場
CPUの製造プロセスは32nm世代へ

 6コアや8コアといった、ハイエンドが話題になった2010年春だが、やはりメインストリームは、クアッドコアのCPUだ。特にAMDは、低価格のクアッドコアCPUをリリースしているため、今では1万円でクアッドコアのCPUを手に入れることができる。一方Intelは、これまでの「Core 2 Quad」(LGA775)から「Core iシリーズ」へと移行し、「Core i5」や「Core i7」などのミドルレンジ以上がクアッドコアCPUとなっている。ただし、Core iシリーズは、メモリアクセスがトリプルチャネルのLGA1366のほかに、デュアルチャネルとなったLGA1156が新たに登場。モデルネームだけは判別が付きにくいため購入時には注意が必要だ。
 また、Core i5やi3の大きなトピックとして45nmを上回る32nmプロセスルールが採用されている点が挙げられる。これによりさらなる発熱量の低減と、省電力が実現されており、ライバルのAMDに差をつけている。

クアッドコアのCPUとして、もっともコストパフォーマンスに優れる「Core i5-750」はLGA1156を牽引した立役者といえる存在だ

 2010年の最初の大きなトピックは、Intelの「Core i5-660」など、GPUを内蔵したCPUの登場だ。内蔵と言っても1つのCPUパッケージ上にCPUとGPUダイを別々に載せる形となっているが、Intel初となるこのCPUはマザーボードメーカーのコストを下げることができるため、今やショップが手掛けるBTO PCのスタンダードになりつつある。
 CPUパッケージ上にGPUを内蔵するメリットはいろいろあるが、恐らく一番のメリットは冷却効率だろう。チップセットに統合されているGPUの場合、冷却はチップセットのパッシブかアクティブ(ファン付き)のヒートシンクに頼ることになるが、安価なマザーボードでは密着すら心もとない状態の製品も少なくない。しかし、CPU側にGPUを統合してしまえば、最低でもIntel自身が提供するCPUクーラーによって確実に冷却することができるわけだ。我々ユーザーには見えにくいメリットなものの、安価ながら安定したPCを作る上で、一つの重要な選択肢になるわけである。

32nmプロセスルールで製造され、さらにGPUも内蔵した画期的なCPU「Core i5-661」。CPUソケットはLGA1156で、現在主流になりつつあるCPUだ。デュアルコアだが、Hyper Threadingに対応し、4スレッド処理が可能

GPUを内蔵するCore i5/i3に対応するマザーボード。I/OパネルにDVIやHDMIといった映像出力端子を備えている

DDR3が現在のスタンダード

 昨年は主流だったLGA775のIntel CPU。つまりCore 2 Duoや、Core 2 Quadは徐々に市場からフェードアウトし始めている。もちろん、店頭ではまだまだ見かけるものの、CPUに割く棚の割合は徐々に減りつつある。代わりにLGA1366やLGA1156の「Core iシリーズ」が、中心となってきている。
 また、LGA775では、マザーボードによってDDR2かDDR3かを選択することができたが、LGA1366/LGA1156ではすべてDDR3メモリとなっている。これによりIntel CPUもすべてメモリコントローラ内蔵CPUとなり、AMDと合わせてデスクトップ向けのCPUは基本的にメモリコントーラ内蔵となった。それと合わせて、対応メモリもDDR3へとシフトが進んだことも大きなトピックだろう。

メモリコントローラーはCPUに統合され、メモリとプロセッサが直結された。メモリチャンネルもトリプルチャンネルからデュアルチャンネルに変更されている

 対するAMDプラットフォームに大きな変化はなく「Socket AM3」が依然として主流となっているため、メモリはDDR2/DDR3の両方をサポートする。そのため、いまだにDDR2が使えるマザーボードが選択できる点はメリットといえるだろう。とはいえ、AMDプラットフォームも基本的にはDDR3が主流。発売される多くのマザーボードはDDR3対応製品となっている。
 なおDDR3メモリは、通常のDDR3-1333のほか、DDR3-2000やDDR3-2400といったオーバークロックを前提としたメモリが多く発売されている。これまでのオーバークロックメモリは電圧を上げることで対応していたが、中には標準電圧のままオーバークロック動作を実現している製品もある。

DDR3-2400(PC3-19200)に対応する、G.SKILLの「F3-19200CL9D-4GBPIS」。価格はそれなりに高価だが、PC全体のオーバークロックを行なう場合に、これらオーバークロックメモリは欠かせない存在だ

(次ページへ続く)

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