LGA1156とGPUが統合されたCPUの登場
CPUの製造プロセスは32nm世代へ
6コアや8コアといった、ハイエンドが話題になった2010年春だが、やはりメインストリームは、クアッドコアのCPUだ。特にAMDは、低価格のクアッドコアCPUをリリースしているため、今では1万円でクアッドコアのCPUを手に入れることができる。一方Intelは、これまでの「Core 2 Quad」(LGA775)から「Core iシリーズ」へと移行し、「Core i5」や「Core i7」などのミドルレンジ以上がクアッドコアCPUとなっている。ただし、Core iシリーズは、メモリアクセスがトリプルチャネルのLGA1366のほかに、デュアルチャネルとなったLGA1156が新たに登場。モデルネームだけは判別が付きにくいため購入時には注意が必要だ。
また、Core i5やi3の大きなトピックとして45nmを上回る32nmプロセスルールが採用されている点が挙げられる。これによりさらなる発熱量の低減と、省電力が実現されており、ライバルのAMDに差をつけている。
2010年の最初の大きなトピックは、Intelの「Core i5-660」など、GPUを内蔵したCPUの登場だ。内蔵と言っても1つのCPUパッケージ上にCPUとGPUダイを別々に載せる形となっているが、Intel初となるこのCPUはマザーボードメーカーのコストを下げることができるため、今やショップが手掛けるBTO PCのスタンダードになりつつある。
CPUパッケージ上にGPUを内蔵するメリットはいろいろあるが、恐らく一番のメリットは冷却効率だろう。チップセットに統合されているGPUの場合、冷却はチップセットのパッシブかアクティブ(ファン付き)のヒートシンクに頼ることになるが、安価なマザーボードでは密着すら心もとない状態の製品も少なくない。しかし、CPU側にGPUを統合してしまえば、最低でもIntel自身が提供するCPUクーラーによって確実に冷却することができるわけだ。我々ユーザーには見えにくいメリットなものの、安価ながら安定したPCを作る上で、一つの重要な選択肢になるわけである。
DDR3が現在のスタンダード
昨年は主流だったLGA775のIntel CPU。つまりCore 2 Duoや、Core 2 Quadは徐々に市場からフェードアウトし始めている。もちろん、店頭ではまだまだ見かけるものの、CPUに割く棚の割合は徐々に減りつつある。代わりにLGA1366やLGA1156の「Core iシリーズ」が、中心となってきている。
また、LGA775では、マザーボードによってDDR2かDDR3かを選択することができたが、LGA1366/LGA1156ではすべてDDR3メモリとなっている。これによりIntel CPUもすべてメモリコントローラ内蔵CPUとなり、AMDと合わせてデスクトップ向けのCPUは基本的にメモリコントーラ内蔵となった。それと合わせて、対応メモリもDDR3へとシフトが進んだことも大きなトピックだろう。
対するAMDプラットフォームに大きな変化はなく「Socket AM3」が依然として主流となっているため、メモリはDDR2/DDR3の両方をサポートする。そのため、いまだにDDR2が使えるマザーボードが選択できる点はメリットといえるだろう。とはいえ、AMDプラットフォームも基本的にはDDR3が主流。発売される多くのマザーボードはDDR3対応製品となっている。
なおDDR3メモリは、通常のDDR3-1333のほか、DDR3-2000やDDR3-2400といったオーバークロックを前提としたメモリが多く発売されている。これまでのオーバークロックメモリは電圧を上げることで対応していたが、中には標準電圧のままオーバークロック動作を実現している製品もある。
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