レッツノートと言えば、“長時間駆動”“軽量の本体”“防滴キーボード”“ボンネット構造の天板”、そして度重なる落下試験により培われた“高い堅牢性”が特徴。モバイルを重視するユーザーに、特に好評を博している製品だ。
パナソニックは、1月の新Core iシリーズ発表後、いち早くレッツノートの新製品を投入したが、なかでも注目したいのが、シリーズ中最小モデルの「CF-R9」だ。
ジャストB5サイズの筺体に、超低電圧版のCore iシリーズでは最上位CPUとなる超低電圧版Core i7を搭載している。
今回はCF-R9の無線LAN内蔵法人向けモデルに触れる機会を得た。法人向けモデルは、個人向けCF-R9の標準モデルとほぼ同様のスペックで、無線LAN内蔵か非内蔵かの2モデルが選択できる。
はたしてビジネスユーザーにとってCore i7搭載により性能や使い勝手に変化はあるのか、レッツノートの“ウリ”を継承しているのかを中心にレビューしていきたい。
Core i7でサクサク動作!
CF-R9が搭載しているのは、超低電圧版のCore i7-620UM(1.06GHz)。Core i7はデュアルコアのCPUだが、ハイパースレッディング対応のため、4スレッドを同時に扱える。キャッシュメモリーは4MBだ。
また、ターボブーストに対応しているため動作周波数は定格1.06GHzだが、コアの利用状況に合わせて自動的にクロック周波数を調整する機能を持つ。発熱などで問題がなければ、(片方のコアのみとなるが)最大で2.13GHzと倍近い値に跳ね上がる。デュアルコア用に開発されていないビジネス向けアプリケーションなどを利用する場合は特に有効だろう。
まず最初に「CrystalMark 2004R3」でパフォーマンスを計測してみたところ、総合スコアは「66605」。CPU性能を表すALU(整数演算速度)は「19041」で、FPU(浮動小数点演算速度)は「17512」となった。
7万円前後で販売されているCULVノートが搭載している、超低電圧版Celeronなどに比べると1.5~2倍程度の性能差がある。体感的に見ても、3D描画を多用するWindows 7のフォルダー操作やエアロ機能なども快適に動作する。
マルチコアという特徴が生きているためか、複数アプリケーション実行時でも、機敏な動作で気持ちがいい。
また、起動からHDDにアクセスするまでの時間を従来モデルの14秒から3秒まで短縮する「Fast Boot Mode」機能にも対応した。同機能はBIOSで有効/無効を切り替え可能だ。
起動時間をストップウォッチ片手にチェックした。電源ボタンを押してからデスクトップ画面が表示され、さらにHDDのアクセスランプが消えるまでの時間を計測。結果はわずか46秒とかなり高速な結果となった。
Windowsのデスクトップが現れたあとも、サービスやアプリケーション起動のためにHDDランプが点灯した状態だが、デスクトップが表示された瞬間からサクサクと操作できた点も好感触だった。
起動やシャットダウンはVista/XPと比べても高速。複数のウィンドウを開いてもメモリ消費量を一定に保つよう設計したWindows 7を採用している点もプラスに働いているようだ。
また、vProテクノロジーにも対応する。対応する管理アプリケーションを別途用いることで、IT管理者が、アプリケーションをまとめてバージョンアップしたり、出張中の社員のPCがトラブルに見舞われた場合でも、リモートアクセスで原因を追及できるといった、管理運用上のメリットがある。
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