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AR~拡張現実~人間の“現実感”を高めるテクノロジー 第4回

経済産業省によるAR -e空間-

2010年04月16日 18時00分更新

文● 丸子かおり

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光と屋内GPSによる情報でお楽しみ建物内散策

 3つ目の電通関西支社によるモデルはちょっと変わった方式のAR技術を使ったサービスだ。今話題のLEDが点滅することで起こる信号と屋内のGPSを使い、GPSやネットがつながりにくい屋内や地下街などの閉鎖空間でARサービスを行なおうというものだ。

 モデルとなったのは、大阪の阪急三番街北館。ここで2月13日からの2週間、親子連れを対象に電通関西支社が発案した宝探しゲームが開催された。参加者は主催者から専用サービス端末を受け取り、端末のマップを見ながら阪急三番街北館を探索。専用端末が屋内GPSで秘密の隠されているポイントにユーザーをナビゲート。ポイントに到着したら、端末で周りのLEDライトを探って、目的の光源に端末を当てるとプレゼント箱がゲットできる仕組みだ。

関西のe空間実証事業「e空間Kansai」によるキャンペーンサイト

阪急三番街北館地下の屋内GPSがカバーしているエリアと、LED可視光通信がカバーしているエリアのマップ。両方の特性を生かして、宝探しゲームが行なわれた

 この宝探しゲームはいわば、屋内GPSと可視光線を使ったスタンプラリーと言える。しかし、屋内GPSによる情報の伝達範囲の広さや、情報をユーザーに送り込む特性、LED可視光通信により目の前にある情報を組み合わせることで、新たな情報伝達の方法やARの形が作られていると考えられる。現実世界を歩きながら、端末によってルートや施設情報が提供されるのはまさに現在のARが求められているところである。

ピンクの箱状のものがサービス端末で屋内GPSモジュールやタッチパネルが備わっている

 今後、こういったサービスは様々な施設の案内などで活用されたり、また、通行人の各々の属性や興味に対して最適な街情報を提供できるものになっていくだろう。

(次ページへ続く)

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