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AR~拡張現実~人間の“現実感”を高めるテクノロジー 第1回

ARによる新しいエンターテイメントの形

2010年04月12日 18時00分更新

文● 丸子かおり ●撮影/神田喜和、笹川達弥

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新しいエンターテイメントの形!? -エアノベル-

 これまで、ゲームのキャンペーンにおいて、いかにゲームの世界を現実に反映させてきたかを紹介したが、今度はARアプリの中で最も有名なセカイカメラを使ってAR世界と現実とフィクションの合間で楽しむユーザー参加型ゲーム「エアノベル #15a24」を紹介しよう。

 このゲームは作家の新城カズマさんとセカイカメラの開発元である頓智・のコラボレーション企画で2009年の12月31日に開催された。このゲームでは、新城さんの小説「15×24(イチゴー・ニイヨン)」の、捜索隊が人を探すという設定を活かし、セカイカメラでエアタグを頼りにヒントを得て、「ピンクのケータイを持つ男」を探すという内容だ。また、このゲームは、セカイカメラで情報を探りながら、Twitterや掲示板でユーザー同士の情報交換をしていくソーシャルゲーム的な側面も持っている。

「エアノベル #15a24」のモデルとなった新城カズマの人気シリーズノベル、15×24。自殺をはかろうとする主人公の携帯電話が盗まれたことにより、その携帯の自殺予告メールが転送され様々な人が少年を捜索するという群像劇だ

井口尊仁さん。2008年に頓智・を設立して、サンフランシスコで開催されたIT起業家のイベント「TechCrunch 50」でセカイカメラを発表した

 さて、このエアノベル #15a24を新城カズマさんと共に運営した、セカイカメラの産みの親でもある頓智・の代表、井口尊仁さんにお話しをうかがってきた。

 井口さんによると、新城さんはおもしろいアイディアが豊富な人で、「セカイカメラでいろいろ遊びたい」とTwitter上で話していたそうだ。それを受けて井口さんと新城さんはTwitter上で企画やアイディアの交換をしているうちに、本当に「年末やりましょう」という話に進んだという。

 さらに去年12月でのアップルストアで製品発表会が開催されたとき、井口さんが「エアノベル #15a24をやる」と発表をし、後に引けない状態になったそうだ。はたして、セカイ、もとい世界初のエアノベルはどうなったのであろうか?

(次ページへ続く)

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