Corsairのオススメ電源は?
電源へのこだわりを語ってもらったインタビューの後は、ASCII.jpイチ押しのCorsair電源を詳しく見ていこう。
実力はGOLDクラスのSILVER認証製品
「CMPSU-850HXJP」
実売価格:2万4000円前後
Corsairの「CMPSU-850HXJP」は、着脱可能なプラグケーブル方式を採用する電源ユニットだ。定格出力は850Wで、80PLUS SILVER認証を取得した高効率モデルとなる。
メーカー発表はSILVER認証だが、実際は80PLUS認証テストにおいてGOLDを取得しており、あえてランクをひとつ落とした表記になっている。これはもともとSILVER認証を目指して開発された製品であり、GOLD認証を得られたのはテストにおいて設計スペックを上回る性能を示したためだ。だが、生産においてすべての製品がGOLDの効率が得られる確証がないことから、SILVER認証モデルとして発売されている。つまり、変換効率のポテンシャルは限りなくGOLDに近いものを持っているということだ。大出力のGOLD認証電源が欲しいが製品の選択肢が少ないという人には、本製品は候補に加えても申し分ない性能を持っていると言えるだろう。
12Vの出力系統は1ライン70A(840W)で、これは最近顕著になってきたビデオカードの大きな消費電力に対応するためだ。最近の最上位ビデオカードは、300W近い消費電力をPCIスロットとPCI-Eケーブル2本でまかなうことになるので、12Vラインは太い出力が必要になる。最新のパーツ事情に対応した仕様と言える。PCI-Eコネクタは電源ユニットから直接2本が出ており、プラグモジュールでさらに4本を追加できるので、トリプルSLIにも対応できる。
信頼性では、なんといっても7年保証という長期間保証が目を引く。電源ユニットの保証期間は長いもので3年または5年が一般的なので、これは驚異的なインパクトだ。PCパーツの一般的な寿命が通常2~3年、長くて5年程度であるから、保証期間を超えて使うユーザーはごくわずかと言えるだろう。ここまで長いのは、メーカーが品質に自信を持っている証とも受け取れる。故障などのトラブルが気になる人には、かなり魅力的な要素である。
冷却は、電源ユニットでは最大規模のサイズとなる140mm角のボールベアリングファンを1基装備する。回転数は内部温度によって変化するが、50℃環境下で定格出力を維持する品質を備えることで、低い回転数でも性能が維持できるため、ファンノイズは気にならないレベルに収まっている。
アフタークーリングといった独自性のある機能は備えていないが、シンプルに電源ユニットの基本機能を追求した印象を受ける製品だ。実売価格も2万4000円前後で、GOLD認証クラスの高効率電源と見るとコストパフォーマンスもまずまずである。高効率変換に信頼性と長期間保証と、質実剛健な製品と言えるだろう。
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