空きチャンネルをネット事業者に「販売」する
―― ROBROのビジネスモデルについて教えてください。
安達 まずB2Bのビジネスモデルとしては「リモコンの空きチャンネル」を販売しています。たとえば現在「13チャンネル」には「Yahoo! Japan」さんが割り当てられており、月額利用料をお支払いいただく形となっています。
事業者がCS放送のチャンネルを購入するとなると、大がかりな投資が必要ですが、ROBROのチャンネルは月額数十万円の予算感で参加できるのが大きな違いです。
ROBROのテレビ視聴画面はカスタマイズされたウェブブラウザーになっています。地上波とネットの違いを意識せず、シームレスに「チャンネル」を切り替えることができるのです。
―― ニコニコ動画風の字幕がついた「実況」つきでテレビ番組を見ているところから、リモコン操作でYouTubeやYahoo!にも切り替えることができるわけですね。実際に動作するものを見ると、新鮮な印象を受けます。
安達 地デジ視聴という部分では、ROBROはインテルのAtomを搭載した初めてのテレビです。コストパフォーマンスに優れたAtomは、逆にそのままではデジタル放送を視聴するには力不足な面が否めません。インテル社の協力も得ながら、グラフィックチップ(Intel 945 GSE)の能力を最大限引き出すべく、ドライバのカスタマイズにも努めました。
―― YouTubeがHD対応するなど、ネット動画も高画質化が進んでいます。そちらへの対応はいかがでしょう?
安達 残念ながら、現状のFlashベースのHD動画や、Windows Videoなどのコーデックには私たちは手を加えることが出来ません。いわゆるAtom搭載のNetbookと同様と考えていただければと思います。
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