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言い訳しない──夏野剛が語る「勝てる組織の心がけ」

2009年12月29日 12時00分更新

文● 広田稔/ASCII.jp編集部 協力●シアター・テレビジョン

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現場にお金の心配をさせないのがいい経営

── 会社の組織作りでは何を重視していますか?

夏野氏:いろいろなビジネスに関わってきて重要だと思ったことは、リーダーやチームが「哲学」を持つということと、どういう仲間と仕事をやれるかというふたつです。

 今の時代、すべてのビジネスは誰がリードするかによって、180度結果が変わる時代が来ています。高度成長期においては、誰がやっても結果が出るような企業が「いい企業」「いい組織」と言われていました。しかし、インターネットが出てきて以降、あらゆる情報が世の中にあふれている時代に変わった。

 その情報の中から何をヒントにするか、どういうビジネスを立ち上げるか、どういう形に仕上げて行くかというのは、リーダーやチームや持っている哲学と、どういう仲間とやれるかということで変わってきます。iモードは、人間のネットワークに恵まれたこともあって、成功につながったんです。


── ニコ動を開発/運営している「現場」に対して気を付けていることはありますか?

夏野氏:経営者としていちばん大事なのは、現場の人間にお金や事業のバランスをなるべく心配をさせないことです。

 まずある程度の枠を作って、その中で自由にさせる。現場のクリエイティビティーを維持するためには、「お前の見えないところで何とかやっているから、この枠の中で自由に行け」というやり方がいい。その枠が守られている限り、たとえお金がかかっても別のところでつじつまを合わせるのが経営者の姿だと思っています。

 逆に言えば、自分のクリエイティビティーを抑えたり、開発の意思を弱めたりする「言い訳」を現場に与えないということです。言い訳をさせない環境を作ることが、僕は経営だと思っている。現場にはどんどん突っ走ってもらいたい。


── 夏野さんが一緒に仕事をしたいのはどういった人物ですか?

夏野氏:先ほどの話にも通じますが、自分に言い訳をしない人と仕事がしたいですね。「本当はこうだと分かっているんだけどしません」ということを他人に言える人は、自分にも言い訳をしている。自分に言い訳してても平気な人は、やっぱり仕事をしていても面白くないですよね。

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