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言い訳しない──夏野剛が語る「勝てる組織の心がけ」

2009年12月29日 12時00分更新

文● 広田稔/ASCII.jp編集部 協力●シアター・テレビジョン

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夏野剛氏

ニコニコ動画のユーザーにとっては「黒字化担当」として知られる夏野氏。関連イベント「ニコニコ大会議」では舞台に立っておどけてみせるが、その裏側には経験に基づいた経営哲学を持っている

NTTドコモ時代の夏野氏。2007年4月、904iシリーズの製品発表会にて「DoCoMo 2.0」をアピール

 2008年12月、動画共有サービス「ニコニコ動画」で知られるドワンゴに、ある取締役が就任した。夏野剛(なつのたけし)氏だ。

 夏野氏は1997年、NTTドコモにおいて「iモード」ビジネスを立ち上げたひとりとして知られている。2008年にドコモを退社するまで、FOMA事業を成長させたり、おサイフケータイを導入したりと、ドコモ成長の核となって活躍してきた。

 そんな夏野氏がドワンゴに加わって1年、ニコ動にどんな変化がもたらされたのだろうか。

 米DWANGOを生み出したロバート・E・ハントレー氏、、ニコニコ動画を作ったプログラマー・戀塚昭彦氏のインタビューに続き、夏野氏を取材。ドワンゴやニコ動の魅力、組織作りの心がけを聞いた。


開発スピードが非常に速い

── ドワンゴとの出会いについて教えてください。

夏野氏:1999年、僕がiモードを立ち上げてからまだ数ヵ月しか経っていないときに、ドワンゴの川上さん(同社の創業者で代表取締役会長、川上量生氏)がケータイ向けゲームの提案に来たのが出会いですね。当時、ケータイ向けのゲームというのはほとんどなかった。「ゲームがケータイでできる」というのを世の中に広めるきっかけを作ってくれた会社です。


── ドワンゴの魅力はどこにあると思いますか?

夏野氏:非常に優秀な技術者を持っているところです。ドワンゴは、サービスの開発スピードが非常に速いですよね。ニコニコ動画の機能でも、早いものでは3ヵ月、遅くても6ヵ月で実現してくる。ドコモ時代に比べると、4分の1くらいのスピードですべてが回っています。


── 会長の川上さんについてはどう思われますか?

夏野氏:今までさまざまなコンテンツプロバイダーの社長を見てきましたが、ベンチャーでは割と個人の財産を築くことに走る経営者も多いんです。そうした中においてフラットな感覚を保ち、ユーザーのために楽しい事業を作っていった方だと思っています。ユーザーの立場にきちんと立って、何が面白いかを考えて、それを技術として実行するというセンスがある。

 人間、何か困難に当たると言い訳してあきらめがちですが、川上さんにはそういう妥協がない。妥協がある経営者は、突き抜けたことができません。そういう意味では非常に尊敬しています。

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