このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

最短遅延を自負! ゲームでも、ここまでやるか!?の期待値超え

REGZA Z9000の「新・ゲームモード」はこうして生まれた

2009年11月30日 10時00分更新

文● 折原一也、写真●曾根田 元

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

D2入力の画質も専用に最適化

 Z9000シリーズには、Wii、PS2、PSPといったSD画質のゲーム機をプレイするゲーマー向けに、D2入力に特化した高画質化機能も搭載されている。例えば、黒い画面に白いスコアが表示される部分で、色にじみが気になったことはないだろうか? Z9000シリーズでは、この色にじみ対しても根本から対策を行っている。

D2入力時の画質向上は、D2出力までしか持たないDVDプレーヤーの画質向上など副次的な効果ももたらした

 デジタル映像信号を処理する際には、負荷低減のために映像信号の一部を間引きすることがある。例えば4:2:2であれば色信号は2画素に1つずつしかない。高画質と言われるデジタル放送でも4:2:0と4画素に1つしか記録していない。テレビ内部で信号が間引かれると、色にじみが発生する原因になる。Z9000では、色の帯域を制限せず、すべての4:4:4で処理することで、色変換に起因する色にじみを原理的に排除している。

 また、ゲームのD2出力はSD解像度の信号である以上、エッジにはある程度のデジタル補正も必要になる。Z9000のLTI(輪郭補正回路)には輪郭が鮮明で色にじみを抑えるゲーム専用の補正パターン、さらには表示画面サイズごとに最適な補正パターンのデータを別に持たせている。

 「D2信号から映像が入った瞬間から色を間引かず、最後まで出す。だから、色にじみは基本的に発生しない。基本的な画質チューニングとしても正しいアプローチを取っています」(住吉氏)と、高画質設計専門の開発者自ら胸を張る。

サンプリングから色を省かず、内部処理をすべて4:4:4(クロマフォーマット)処理にしたことに加え、オーバーサンプリングで水平方向のスケーリングを省略。エッジ強調のためのLTIも新型にするなど、D2入力時の基礎体力が大幅に向上している

 反応速度を極限まで高めて遅延を抑えた「新・ゲームモード」はもちろん、Wiiのバーチャルコンソール特化の「レトロゲームファイン」、PSPのゲームを高画質化する「ポータブルズーム」、さらにWii、PS2、PSPなどにフォーカスを合わせた高画質化処理。

 REGZA Z9000の開発は、取材時の写真にも掲載している通り、実際にゲーム機の画質を元にチューニングされている。「異常な事をやるのがREGZA。これでPS3もWiiもXbox 360も楽しんでもらいたい」(本村氏)と開発者自らゲーマーにラブコールを送るマシンだけに、ゲーマー仕様のテレビとしての作り込みは伊達ではないようだ。

■関連サイト

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中