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参照トラフィックは新規ユーザー獲得のチャンス (5/5)

2009年11月12日 15時00分更新

文●中野克平/デジタルコンテンツ部編成課

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参照されやすいコンテンツを作るには?

「リンクを張ればユーザーが訪れるわけではないと思いますよ。何かコツがあるんでしょうか?」――もっともです。リンクを張っても、人間が来てくれなければ意味がありません。価値の高いリンクを増やすにはどうすればいいのでしょうか。


■Yahoo!ニュース

 ニュースになりそうな話題についてあらかじめ調べておきます。たとえば、ドラマやスポーツのように、ニュースサイトが取り上げそうな話題で、事前に準備ができる記事は、ニュースになる前から仕込んでおきます。ニュース記事の関連リンクや関連情報として取り上げられれば、大きなトラフィックになります。


■Googleニュース

 ニュースサイトに限られますが、見出しや本文のキーワードを工夫し、他社よりも早く記事を公開すれば、Googleのクローラーが拾ってくれます。


■Wikipedia日本語版

 百科辞典はテキスト中心なので、自社で扱う商品の解説を写真や図版で用意し、「図鑑」として外部リンクを設定します。爆発的なトラフィックにはなりませんが、定常的なトラフィックになります。ただし、誰でも編集できるのがWikipediaの特徴ですので、無意味なリンクはすぐに削除されます。Wikipediaユーザーのメリットを損なうリンクにしてはいけません。


■一般ユーザーのブログ

 毎日ブログを更新できるほど話題が豊富な人はあまりいません。たいていの人はテレビ番組や有名人、著名人の発言への感想、日常生活で起きたことなどを書き込みますので、ちょっと褒めたり、批判したりできるような「隙」をあえて作ったり、これまでと何かが異なることが不可欠です。

 話題作りは、色、形、大きさ、匂い、材料を組み替える、という方法があります。たとえば、どら焼きで話題が作りたければ、真っ黒などら焼き、正方形のどら焼き、直径50センチのどら焼き、カレー風味のどら焼き、抹茶どら焼きなど、話題になる商品を作ってブロガーに語ってもらったり、メディアに取り上げてもらったりするのは、もっとも基本的なバイラルマーケティングの手法です。


 上記は、さまざまな勉強会で言われていることのうち、比較的穏便なテクニックです。残念ながらASCII.jpではどれも実践できていませんが、他社の事情を聞くと、かなり効果があるといいます。Webにノイズを増やすことはすべきでないと思いますが、Web全体が便利で充実する方向に働くのであればよいのかもしれません。


 次回は、参照トラフィックの着地ページから、Webサイトを分析します。


著者:中野克平(なかの かっぺい)

アスキー・メディアワークス技術部基盤研究課係長(兼デジタルコンテンツ部編成課係長)。ASCII.jpをはじめとするアスキー・メディアワークスのWebサイトについてアクセス状況を解析し、事業を改善する報告をしながら、基盤となる検索エンジン技術、Webアプリケーションの研究開発を担当している。

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