サラウンドシステムだけど接続はカンタン
なにしろスピーカーとAVアンプ内蔵サブウーファーの2つしかないから、接続はとにかく簡単。AVアンプ内蔵サブウーファーとスピーカー部を接続するだけだ。スピーカー部には、フロント(右)、センター、フロント(左)の3チャンネルが内蔵されているので、各チャンネルが「+」と「-」で2本、合計6本のケーブルで接続する。ちょっと面倒に感じるかもしれないが、付属のケーブルは6本がくっついた状態になっており、しかも接続する端子ごとに色分けされているので、「なぜスピーカー端子には+と-の2本の線をつなぐのか?」というオーディオの基本をまったく知らない人でも、間違いなく接続できる。
なお、ちょっと詳しい人であればスピーカーケーブルをグレードアップして、音質向上を図るといったテクニックも使える。これは汎用のスピーカー端子を採用している本機の利点だろう。
テレビやBD/DVDプレーヤーとの接続は、HDMI端子でOK。ちなみに、東芝、日立、三菱、シャープ、パナソニック、ソニーの6社のHDMIリンク機能に対応しており、テレビのリモコンで音声の切り替え(テレビの内蔵スピーカー/YHT-S400)や電源オン/オフの連動などが行なえる。テレビの光デジタル音声出力をAVアンプ内蔵サブウーファーの光デジタル入力端子に接続すれば、テレビ放送の音もサラウンドで楽しめる。
設置してみると、横幅800mmのスピーカー部は、自宅の50V型テレビと比べるとやや小さめ。サイズ的に見映えがいいのは32V型(横幅800mm弱)~40V型(横幅1000mm弱)くらいだろうか。ただし、後述するが、音の点ではあまり心配する必要はない。
AVアンプ内蔵サブウーファー部はやや高さ(151mm)があるので、ラックによっては中板を外す必要はあるかもしれない。横幅や奥行きに関しては、テレビを置くためのラックならばほぼ問題ないはずだ。
設置をしていて感心したのは、AVアンプ内蔵サブウーファーの作りの良さ。前面こそ樹脂製となっているが、天板/底板/側板の四方は純木製。当初、狭いスペースのラックの中にサブウーファーを置くなどナンセンスと感じたが、かなりの低音を鳴らしてみても天板が響いて嫌な音をすることはない。これなら、狭いラックの中でも不要な音が反響して肝心の音を濁らせてしまうようなことはないだろう。
ヤマハは日本でも最初期からAVアンプやサラウンドによるホームシアターを製品化してきたメーカーだが、サブウーファーの出来の良さでも定評がある。安価なシステムとはいえ、その製品づくりのノウハウはしっかりとこのモデルにも注がれているのだろう。