特集3回目は、単体のフロントサラウンド製品について紹介する。フロントサラウンドも製品は多いが、今回はその中でも音質にこだわりたい人向けの機種を紹介する。まずはボーズから。
フロントサラウンドシステムの先駆者
ボーズの最新製品の実力
ボーズがフロントスピーカーだけでサラウンドを楽しめるシステムを発表したのは、2000年前半。その頃はまだ5.1chのホームシアターが出始めの頃で、同社が提唱する2.1ch方式も一般にはあまり知られていなかった。近来各社からフロントサラウンドシステムが多く発売されるようになり、先駆者ボーズはその代名詞的な存在となったのだ。
ボーズの「CineMate GS Series II digital home theater speaker system」(実売価格9万5000円前後)は、同社が培ってきたフロントサラウンドの優れた技術を活かし、HDTVのハイクオリティな音声を手軽に楽しめるようにした2.1chホームシアターシステムだ。
機器の構成はシンプルで、フロント2本のスピーカー(Gemstone スピーカーアレイ)と、1本のサブウーファー(Acoustimass モジュール)、そして音声信号を入力するためのインターフェイスモジュールの3つ。特にスピーカーは、手のひらに乗ってしまう小ささで大きな音が出せるのか? と心配になるほどのコンパクトサイズだ。
これらをボーズの独自技術「TrueSpace デジタルプロセッシング回路」とデジタルアンプによってドライブし、リアスピーカーやセンタースピーカーを必要とせずに、広大なサラウンド音場を再現できるという。
しかも、リスニングポイントがあまり限定されず、部屋のどこでもサラウンド感が味わえるので、例えば家族とか大人数で楽しむ際にもいい。
ちなみにフロントスピーカーは同社の2.1chホームシアタースピーカーの中では最も小さいモデルだが、実は「アレイ」というように、中には2つのスピーカーユニットが入っている。
それぞれ個別に仕切られているので、完全に独立した4つのスピーカーがあるのと同じだ。そして、やはり独立した4つのアンプでそれぞれをドライブしている。小口径のユニットはスピーカーの理想とされる点音源に近いため、音の浸透力と広がりが大きくなるというメリットがある。
一方、サブウーファーを壁に近付けて置くと低音がより増強され、低音が強過ぎると感じる場合は低音調節用つまみで調整できる。それによって、システム全体の音のバランスが崩れることはない。
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