総評 4GB以上のメモリーがあるなら
64bit版がベスト!
今回のテストを総評すると、Windows 7は64bit環境の方が、同じパソコンでも性能が10~20%ほど高いようだ。またPhenom IIとCore 2 Quadでは、Phenom IIの方が64bit化したときの伸び率が高い。今回テストしたCore 2 QuadはQ6600と少し古いので、最新のCore i7では、また違った結果になるかもしれない。
この結果からみれば、4GB以上のメモリーを搭載するなら、64bit OSを選択することがベストだろう。ただし、必要な周辺機器に64bit版デバイスドライバー用意されていなければ、移行することもできないのがつらいところだ。
特に問題になるのは、地上デジタル放送チューナーのようなマルチメディアデバイスと、無線LANや無線通信アダプターなどのネットワークデバイスだろう。地上デジタル放送チューナーは、アイ・オー・データ機器が積極的に64bit環境への対応を進めている。またネットワークデバイスに関しては、一般的な有線/無線LANチップは、マイクロソフトとチップベンダーが64bitドライバーを提供している。しかし、国内メーカーのネットワークカードや無線LANアダプター、さらにUQ WiMAXのUSB WiMAX通信アダプターなどは、Windows Vista用さえ64bitドライバーがリリースされていない製品が多い。
たいていの32bitアプリケーションは、64bit版でも問題なく動作する。だがアプリケーション側も、遅まきながら64bit環境への対応が始まっている。例えば、メモリーを多量に使用するAdobe PhotoshopやAdobe Lightroomなどは、64bit版がリリースされている。これらのソフトは、多量のメモリーを使える64bit版OSの方が快適に動作する。
Windows 7の64bit版は、WOW(Windows On Windows)というエミュレーションにより、ほとんどの32bitアプリケーションを、互換性の問題なく動作させられる。最後に参考として、32bit版の総合ベンチマークテスト「PCMark05」を、32bitと64bitで実行してみた。
HDD以外は、32bitでも64bitでも、ほとんど変わらない結果となった。HDDアクセスはほかのテストと同様に、OSやドライバーの64bit化によって、高速化の恩恵を受けられたのかもしれない。
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