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四本淑三の「テレビを捨てよ、動画サイトを観よう」 ― 第10回

ビバ☆ヒウィッヒヒー、そのアッサリすぎた偉業について

2009年08月09日 12時00分更新

文● 四本淑三

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音源公開はいいが、著作権は大丈夫なのか?

 これはTwitterを利用したアーティストプロモーションの、最初の成功例になるかも知れない。そして、これに続けとばかりに、妙なことを考えそうな企画屋さんが沢山いそうだ。それが嫌なのだが、そう簡単に同じことはできない。

 「広瀬香美Official Website」がリニューアルしたのは今年7月。ここでインターネットを使ったプロモーションを強化していこう、くらいの意気込みはあったかも知れない。そしてTwitterというものがあるから使ってみよう。そう考えるのも、今ならごく自然なことだ。

広瀬香美Official Website。今年7月にオープンしたばかりだ

 ただ『ビバ☆ヒウィッヒヒー』はTwitterでの盛り上がりの中から、偶然に出てきたものだ。むしろ綿密に詰めたプロモーションの中からは出てこなかった可能性のほうが高い。その理由は音楽の権利にある。

 音楽出版社やレーベルとの契約がどうなっているかにもよるし、仮に聞いても答えてもらえないデリケートな部分でもあるのだが、常識的に言ってアーティスト本人の意思で音源を勝手に公開できる契約などというものは有り得ない。おまけにこの人はブログに歌詞まで載せている。

 「一体これは著作権をどうするつもりなんだ?」

 というのが最初に聴いた感想だ。歌詞や曲を無料で公開しても著作権使用料は発生する。無信託が可能ならその方が手っ取り早いが、いざ売れたときに……という話で、仮に事前に練った企画なら、ここを着地点としては設定しない。所属レコード会社もよく許したなと思う。

 結果的に広瀬香美という人は、この状況を自分でも心底楽しみ、思いつくまま突っ走った挙句、どさくさに紛れてあっさりブレークスルーしてしまったのではないか。

 インターネットのコミュニケーションは、最終的に個人と個人の問題だ。絵描きなら絵を公開する、写真家なら写真を見せる。それが当たり前で、プロの音楽家だけ第三者の利益のために、それができないというのはおかしな話だったのだ。

 ただ、こうした形で公開すると、音源はネットでもいじられる。すでにニコニコ動画にはMAD動画が上がっていて、Twitterのようにあたたかいリプライで埋まるとは限らない。さらにもし曲として流行りでもしたら、正規のルートではどうリリースするんだろう?

 そんな今後への興味もありつつ、ついに私も@kohmiのフォローを始めてしまったのだった。だから皆、オレに@kohmiのRTはするなよ!

四本 淑三(よつもと としみ)

フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科講師。高校時代に音楽雑誌へ投稿を始めたのを契機に各種のコンテンツ制作や執筆作業に関わる。去年は動画サイトに上げたKORG DS-10の動画がきっかけで、KORG DS-10の公式イベント「KORG DS-10 EXPO 2008 in TOKYO」に参加。その模様はライブ盤として近日リリース予定。

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