安定した通信がメリットも、速度ではやや見劣り
XGPと3Gに注目したい ウィルコム
ウィルコムの無線データ通信サービスの特徴は?
- 安定した通信速度
- 契約方法によっては料金が非常に安い
- ドコモのMVNOによる3Gサービスは魅力十分
- 当初はエリアが狭いが、次世代は相当速い!
- 現行PHSベースのサービスは速度がkbpsレベル
定額制無線データ通信サービスの元祖的存在が、ウィルコムと「AIR-EDGE」。まずは定番とも言える、PHSの通信回線を使ったサービスを紹介しよう。
速度は最大で800kbps
最大の通信速度は800kbps。この速度は上下対称である。ただし800kbpsはW-OAM typeGと呼ばれる方式に対応したデータ通信カードで、かつ基地局のバックボーンが光ファイバー化されているケースに限られる。光化されていない基地局の場合は最大512kbpsとなる。またスマートフォンなどに内蔵され、取り外しが自由な通信モジュール「W-SIM」では最大204kbpsまでの対応製品が登場している。
一方メリットは、PHSの特徴として都心部などで基地局を密集して設置しているため、通信速度が安定している点。メールチェックなどに確実に使いたいユーザーにはまだまだ価値がある。
音声端末系プランでもなかなかお得
データ通信向けの料金プランとして、まず挙げられるのが「新つなぎ放題」。2年契約が前提で月額3880円(契約解除料は9975円)と他社より割安である。
またウィルコムは音声端末の多くをPCに接続して、データ通信用に使うことができる。音声端末向けプランの「新ウィルコム定額プラン」(月2900円)ではパケット料は0~2800円。端末から使った分もパソコンで接続した分も合わせて、上限が2800円である。
製品はカード型が中心で、USB接続型も用意されている。また、前述のW-SIMをUSBポートに接続するためのアダプタなどもある。
最安980円でデータ通信が使い放題の例も!
端末の販売スタイルは、「W-VALUE SELECT」と呼ばれる端末の24回割賦払いがメイン。契約を継続する限り、最大24回まで適用される「W-VALUE割引」により実質的な端末価格が抑えられる。
また同社のオンラインショップでは、W-VALUE割引を端末の割賦代金より大きく設定することで、実質的に月980円程度で「新つなぎ放題」のサービスを利用できるキャンペーンもしばしば行なわれている。とにかく安く無線データ通信を利用したい場合はキャンペーンを探してみるといいだろう。
速度面では次世代のサービスに期待
速度面では競合相手に苦しい戦いを続けているウィルコムだが、6月からは下り最大7.2Mbpsの「WILLCOM CORE 3G」をスタート。さらに10月には上下最大20Mbpsの「WILLCOM CORE XGP」を開始する予定である。
まず、WILLCOM CORE 3GはドコモのFOMA網を用いた、ドコモ「定額データプラン」とほぼ同等のサービス。実際には細かな違いもあるのだが、詳細についてはこの記事を参照してほしい。
WILLCOM CORE XGPは試験サービスにおいて、実測10Mbps以上を確認している注目の次世代サービス(関連記事)だ。エリアについてはまだ未知数だが、当面は東名阪の都市圏が中心になることが考えられる。
ウィルコム | ||
---|---|---|
加入プラン | 新つなぎ放題 | 新ウィルコム定額プラン |
最大通信速度(下り) | 204~800kbps | |
最大通信速度(上り) | 204~800kbps | |
月額料金 | 3880円 | 2900円(音声定額) +0(0MB)円~2800円(約4MB~) |
契約期間 | 2年契約 | 1年契約 |
契約解除料 | 9975円 | 初年度4200年(以降2100円) |
この連載の記事
-
第5回
スマホ
無線データ通信のわからないことを総ざらえ -
第4回
スマホ
自宅回線はもう不要 無線データ通信ですべてをこなす -
第3回
スマホ
公衆無線LANサービスを併用して、さらに快適通信 -
第2回
スマホ
ネットブックとのセットは得か損か? 料金を徹底検証 -
スマホ
本当に使える無線データ通信はこれだ! - この連載の一覧へ