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本当に使える無線データ通信はこれだ! 第1回

速度は? 価格は? 各社の無線データサービスをチェック

2009年06月26日 18時00分更新

文● 小林 誠/ゴーズ、ASCII.jp編集部

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無線データ通信イメージ

 家電量販店で今最も注目されている商品が格安のネットブックとそのセットで販売されている無線データ通信カードだ。無線データ通信サービスに契約すると、ノートPCを使って、どこでもインターネットに繋げられるし、また自宅での回線としても利用できる。

 しかしいざ契約しようとすると、色々な事業者がさまざまな料金体系でサービスを提供している。どのサービスを選べばいいのか、そのための基礎知識となる現在のトレンドを、まずは見ていこう。

トレンドその1 まだまだ高速化するスピード

現在の主流はおおよそ1~4Mbps
Webサイトで情報を集めるのには十分

 無線データ通信サービスで、まず注目されるスペックが、「通信速度」だろう。

 現在もっとも使われているのが「HSDPA」と呼ばれる一般の携帯電話と同じ通信規格。下りは最大で3.6Mbpsまたは7.2Mbpsの速度を持つ。無線データ通信では、実測での速度はスペック値より割り引いたものとなるため、おおよそ1~4Mbps程度の速度で通信を行なえる。

各社のサービス一覧

3G系サービス
  通信規格 下り 上り
イー・モバイル HSDPA(HSUPA) 3.6/7.2Mbps 384kbps/1.4Mbps/5.8Mbps
イー・モバイル(HSPA+) HSPA+ 21.6Mbps 11.5Mbps(端末は5.8Mbps)
NTTドコモ HSDPA(HSUPA) 7.2Mbps 384kbps/5.7Mbps
au CDMA2000 1x EV-DO Rev.A 3.1Mbps 1.8Mbps
PHS
  通信規格 下り 上り
ウィルコム PHS 204~800kbps 204~800kbps
次世代サービス系
  通信規格 下り 上り
UQ WiMAX WiMAX 40Mbps 10Mbps
WILLCOM CORE XGP XGP 20Mbps 20Mbps

「Mbps」の回線が定額で提供されると
ネットの使い方が変わってくる

 2007年3月末、イー・モバイルが定額料金制でこのHSDPAによる無線データ通信サービスを開始し、大きな話題となったことは記憶に新しい。そして、それまでは従量制でしかサービスを提供していなかったNTTドコモなども追従する。まさにモバイルブロードバンドの始まりと言える瞬間だった。

無線ブロードバンド時代の始まり

テレホーダイの時間帯にモデムを使って繋いでいた時代と、ADSLで「Mbps」クラスの回線が定額で使えるようになった時代とでは、インターネットの使い方に大きな差があった。無線データ通信もまさにこのような時代の変化をもたらそうとしている

MC-9000

さかのぼること8年前。2001年8月に当時のDDIポケットがサービス提供を開始した「AirH”」の定額接続サービス。当時は月額基本料5800円(年間契約で4930円)で速度は32kbpsだった

 というのも、イー・モバイル以前の無線データ通信サービスは64kbpsや128kbpsといった「kbps」の世界だった。このレベルの通信速度では、テキストベースでメールなどを使うには十分でも、Webサイトを次々と見ていく用途には少々厳しいものがあった。

 このような無線データ通信サービスの変化は、有線でのそれを後追いしている。2001年頃からADSLが本格的に普及し、日本のネット接続は「通信料の定額」「常時接続」が当たり前になった。そのときユーザーとインターネットの関係は大きく変わった。今の無線データ通信サービスもまさにそういう段階にある。この流れに乗り遅れる手はないと言える。

2009年の後半以降は
10Mbpsオーバーのサービスが続々と

 とはいえ、無線データ通信サービスの進化は止まることはない。たとえば、現在主流である「下り最大7.2Mbps」のデータ通信サービスでもWebサイトを見る程度ならまったく問題ないが、高画質な動画ストリーミングサイトを楽しむのには少し物足りない。

 しかし今年の後半以降、「UQ WiMAX」「WILLCOM CORE XGP」といった新世代のサービスが登場する。またイー・モバイルはHSDPAを進化させた「HSPA+」と呼ばれる規格を採用することで、実測10Mbpsオーバーのサービスを開始しようとしている。

10Mbpsオーバー

編集部のテストでも実測10Mbpsをオーバーした「WILLCOM CORE XGP」

 これらのサービスが本格的に展開されるようになるのにはもう少し時間がかかりそうだが、全国でこれらのサービスが利用できるようになれば、今後は自宅のPCと同じ使い方を、モバイル環境でもストレスなくできるようになるだろう。

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