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ガジェットで自転車ライフをもっと便利に! 第12回

SONY「nav-u」を自転車で使い倒してみた【後編】

2009年06月23日 20時00分更新

文● 荻窪 圭

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カーナビは自転車で使えるか

 NV-U3CにはメモリースティックDuoに転送した写真を再生する機能もあるけれども、自転車には関係ないから割愛。

 で、結論。カーナビはどのくらい自転車で使えるか。

 カーナビと地図付ハンディGPSの両方を使って見ると、その設計思想のはっきりした違いがわかってくる。カーナビはあくまでも「ナビゲーション」のためのシステムである。何しろ公衆トイレの位置まで入ってるから。走ってて用を足したくなったら、これで最寄りのトイレを探せばOKなのだ。他にも飲食系や駐車場、公共施設はもちろんのこと、ショッピング系もかなり細かいところまで入ってるし、公園や名所旧跡もかなりすごい。

近所の喫茶店を調べただけでも、大手カフェチェーンのほかに、ローカルな喫茶店も入っている。こういう細かい情報って自転車でもすごく便利

 自転車乗りとしては「自転車屋」のデータも欲しかったんだけど、パンクしたとかブレーキが壊れたとか……、なんかトラブったときに見知らぬ土地の自転車屋って探しにくいのだ。いつもいつもパンク修理キットと工具を持っているわけじゃないし。それはしょうがないとして、入っているデータが大量なので、腹減ったトイレ行きたいお茶したい買い物したい温泉に寄りたい……などなどのニーズにさっと対応してくれる。

 しかも、感圧式タッチパネルなのでグローブをしてても操作できるし、ひとつひとつのボタンも大きくて押しやすい。

行き先指定ではお店や住所からさがす他、地図をスクロールさせて目的地を表示させ「ここへ行く」をタップするだけでもOK

 目的地を探してそこへ連れてってもらう、という用途では素晴らしい出来だ。

 リルートが超高速なのもすばらしい。自転車だと、車が多いとかこの道は走りにくいからとちょっと横道に入りたくなることがよくあるし、交差点の状況によってはちょっと遠回りしたいこともある。そんなとき、少しルートからずれたら、すぐリルートして新しい道を見つけてくれるのだ。

 逆に地図機能はむしろおまけ。だから、普通に地図として使うにはつらい。画面が大きい割に解像度は低いし、縮尺を上げないと道路は省略されまくりだけど、そうすると狭い範囲しか見えないし、逆にちょっと広い範囲を見ようとするとディテールが大きく省略されちゃう。それに文字もでかい。

地図の縮尺変更画面

最高に縮尺を上げるとディテールまで表示されるので目的地を細かく探すときに便利だが、ちょっと落とすと簡略化されてしまう

 その方が車の中でさっと見たときの視認性が高いのだ。余計な情報はない方が、一瞬で状況を把握できる。交差点名がちゃんとはいっているのもうれしい。

 一般的な地図付ハンディGPSは、ナビ機能を持っているものの、そちらはむしろおまけ。地図を見たり、走行記録を取ったり、走行中の各種データ(速度や走行距離、走行時間など)を表示するのが目的なのだ。どこかへ行く、というより「走るのが好き」って人向け。逆にナビ系は走るのも好きだけど、「自転車でどこかへ出かけるのが好き」って人向けだと思う。

 この辺のバランスをうまくとった、手頃な価格で、バリバリのスポーツ自転車野郎じゃなくても、もうちょっとゆるいノリで楽しめる自転車用GPSナビをどっか作ってくれないかなあ。

 自転車通勤者向けの需要もあると思うのだ。会社への最短距離をナビゲートしてくれるし、工事してて走りにくいから別ルートにしようってときも、ちょっと道からはずれたらリルートしてくれるし。今日は仕事がはやく終わったから寄り道して帰ろう……、なんて気まぐれを起こして見知らぬ道に入り込んだり、寄り道してもちゃんと正しい道を示し直してくれる。

 というわけで、ソニーさま、次はそんな製品も(防水ケース付とか)開発してください。

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