持っていくマシンの選択基準
持っていくマシンの選択基準はこうだ。まずメインマシンであり、自宅でも執筆に使っている「MacBook Air」は、いつも持ち歩いているのでレギュラー確定。サブマシンには、いつもWindowsマシンを選ぶ。さほど意味はないが、「多様性を維持しておいた方が安全」な気がするからだ。
今回のサブマシンは、ネットブックの「HP Mini 1000」。マシンパワーには不満を感じなくはないが、サブならこれでも十分である。以前はいわゆるB5のサブノートを持ち歩いていたが、現在はこちらにしている。理由は単純で、「安いので、壊れても盗まれても痛みはちょっとだけ小さい」からだ。
幸い盗難に遭ったことはないし、知り合いにもそういった例はないが、心理的にはこちらの方が楽だ。ちなみに、メインマシンと携帯電話とメインのカメラは、パスポートや財布同様、常に持ち歩いているので、そういった心配はない。
なおHP Mini 1000には、別売の大容量バッテリー(6セル)をつけて、長時間駆動が可能な状態にしている。これは、MacBook Airのバッテリー駆動時間が「無線LAN併用で4時間強」と比較的短いので、「長い取材では怖いかな?」と思っているためだ。
たとえば、私が年間で一番忙しい日であるCES開催前日のプレスデーの場合、朝7時から夕方6時まで、毎時0分スタート~45分終了、という形で記者会見が続く。しかもその後には、マイクロソフトCEOの基調講演(2009年はスティーブ・バルマー氏、それ以前はビル・ゲイツ氏だった)があるという具合で、最終的な労働時間は20時間くらいになる。もちろん、この間ずっとパソコンを使っているわけではないのだが、より長くバッテリーで動作する方が安心である。
……といいたいところなのだが、実のところアメリカでは、あまり大容量バッテリーのお世話になったことがない。なぜなら、展示会場や空港にある電源コンセントは、「自由に使っていいもの」というコンセンサスがあるからだ。電源が確保されたプレスルームなどに行けなくても、その辺の通路にしゃがみ込んで、電源を拝借すればいい。だから会場内では、スーツを着た新聞記者からラフな格好のブロガーまで、ありとあらゆる人が通路でしゃがんでパソコンを使う様が見られる。
もちろん日本でこういうことをしたら、「犯罪! 電気泥棒!」と糾弾されてしまう。一部の喫茶店やファーストフード店など、電源の利用が許されているところでのみ可能だ。だから、バッテリー駆動時間の長さを期待してHP Mini 1000を使うのは、日本国内の方が多い、というのが実情である。
米国パソコンメーカー製の「モバイル」をうたうパソコンのバッテリー持続時間が「実働で4時間程度」をなかなか超えてこないのは、このあたりの意識の差が大きいのではないか、と考えているところだ。
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