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ATOK 2006 for Windows

ATOK 2006 for Windows

2006年03月27日 00時00分更新

文● 細谷 滝音

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単なる変換から、文章の表現力を広げる道具に進化

 ここまで見てきた機能は、主に入力を手助けするためのものだが、最近のATOKには“入力補完”や“単語の自動登録”だけではなく、文章の表現力を広げるための機能が追加されている。そのひとつが電子辞典との連携機能だ。

明鏡国語辞典
電子辞典セットに付属する明鏡国語辞典で語句の意味を調べたところ。

 ATOK 2006には「明鏡国語辞典」「ジーニアス英和辞典」「ジーニアス和英辞典」の3つの電子辞典をバンドルした「ATOK 2006 [電子辞典セット]」というパッケージが用意されているほか、「広辞苑」や「知恵蔵」といった専用のATOK連携電子辞典も単体販売されている。電子辞典を追加することで、意味を表示でき、詳しい用法なども調べられるようになる。

 連携辞典の使い方は非常にシンプルで、入力している言葉の意味を調べたくなったときに“End”キーを押すだけでいい(ATOK標準設定の場合)。日本語にうるさい人に提出する文章であっても、十分に文章を練ることができるはずだ。

ジーニアス英和/和英辞典ジーニアス英和/和英辞典には豊富な図版が用意されている。また、ネイティブスピーカーが発音した音声データも収録されており、正確な発音を習得できる。

 また、ジーニアス英和/和英辞典では、語句や用法だけでなく、挿絵を見たり、ネイティブスピーカーの発音を確認することもできる。表示された内容はマウス操作でコピーすることもできるので、電子辞典に掲載されている例文をそのまま入力中の文章に貼り付けて使える。

 電子辞典との連携機能はATOK 2005も持っていた機能だが、ATOK 2006ではATOKで入力/変換した文字列以外にも、Office連携ツールをセットアップすることで、Internet Explorer上で表示されている単語の辞典検索が可能になっている。加えて、ユーザーが連携辞典の切り替えを行なわなくとも“自動辞典切替”できる機能(複数の電子辞典を対象に、まとめて見出し語検索できる機能)も追加されている。

 これらの機能は、専用の電子辞典ソフトでも実現できるものだが、辞書ソフト用のビューアーをインストールしたり、辞書を引くためにいちいち別のアプリケーションを起動する手間なしに「文章入力の過程で、気軽に言葉の意味を確認したい」という人も多いだろう。動作も軽快で、漢字変換と同じ気軽さで電子辞典が閲覧できるのも特徴だ。ATOKといえば日本語入力というイメージがあるが、実際の使用環境を考えると日本語以外の辞書も参照したいというニーズは多いだろう。特に、仕事で英文を書かなければならないビジネスマンや、論文を英語で書かなくてはならない学生などが重宝する機能ではないだろうか。

連想変換
Ctrl+Tabで呼び出せる“連想変換”。

 また、従来のバージョンからATOKに搭載されている“連想変換機能”も見逃せない。これは、ある文脈の中で「知る」という意味の言葉を入れたいのだが、ぴったりはまる表現が思いつかない、そういうときに役立つ機能だ。使い方は簡単で、漢字変換を行ない、確定する前にCtrl+Tabを押すだけだ。プルダウンで類義語一覧が出てくる。このときそれぞれの言葉の詳しい意味やニュアンスの説明も表示されるので、吟味して選ぶことができる。英語圏では文章を書くときに“シソーラス”という類義語辞典を使うのが一般的というが、ATOKの連想変換機能はシソーラスに相当する便利さを提供してくれる。

 語彙の少なさや、文章表現のマンネリ化を感じたことがあるなら、迷わず使ってほしい機能である。

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