略語や人名を効果的に学習できる
訂正学習機能
前バージョンのATOK 2005では、ユーザーの訂正操作を学習して自動的に辞書を強化していく“訂正学習機能”が追加された。日本語入力時にタイプミスはつきものだが、こういったミスはユーザーのくせから生じる場合が多く、何度も繰り返し生じてしまうことが多い点から考え出された機能である。
ATOK 2006では、この訂正学習機能をさらに進化させ、省略語や人名を快適に入力する機能に応用している。
訂正学習機能を利用した略語の登録。 |
「台割」(だいわり)のような業界用語、「営企」(えいき、営業企画)のような略語は、標準ではATOKの辞書に登録されていない単語であるため、これまでは「営業」「企画」などと2つの熟語を入力し、「業」と「画」の字を削除。必要に応じて「営企」を「えいき」という読みで単語登録する必要があった。一方、ATOK 2006では、あらためて単語登録しなおすことは無用だ。もともと入力したかった単語の読みと、後から個別に入力した文字の読みに“関連性”が必要であるなど、発生させるための条件があるが、多くの場合、前述の単語登録の手間なしに、一度修正操作を行なえば、自然に人名や略語を学習させられる。
訂正学習の操作方法の違い
ATOK 2005から搭載された“訂正学習機能”は、ユーザーの修正動作をATOKが認識し、その修正結果に基づいて辞書を自動的に強化していく機能だが、ATOK 2006では、ユーザーの修正履歴を認識する技術を利用して、略語や人名を簡単に入力できるようにした。ユーザーの操作履歴を参照する点は共通だが、修正する際の手順が若干異なる点と、学習条件にややくせがある点は注意したい。
ATOK 2005に搭載されていた訂正学習機能(ATOK 2006でも有効)
- 本来「あすきー」(=ASUKI-)と打つべきところを、「あsきー」(=ASKI-)のように間違って変換して確定
- 間違いを削除
- 改めて「あすきー」(=ASUKI-)で変換し、正しい結果「アスキー」で確定
- 次に「あsきー」と入力した際に、ツールチップ上に「アスキー」の文字が表示される
- Shift+Enterを押すことで「アスキー」と入力できる
ATOK 2006で新たに追加された略語などの登録方法
- 「えいき」で変換 → 辞書にないため「鋭気」などの結果が出る
- (確定せずに)ESCキーを押して、変換をキャンセル
- 「営業」(えいぎょう)で確定して「業」を削除
- 「企画」(きかく)で確定して「画」を削除
- ここでATOKが「えいき」と「営企」に類似性があると判断
- 「えいき」から「営企」に変換できるようにしますか? というツールチップが表示される
- Shift+Enterを押すことで、「営企」の単語登録が行なえる