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PCG-GR9E

PCG-GR9E

2002年02月05日 13時50分更新

文● 別冊ASCII編集部・中西祥智

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騒音と熱対策,そして薄型化と
軽量化への道のり

 編集部で行なった騒音の測定(※1)で,PCG-GR9Eは非常に優秀な結果を残した。クーリングファン停止時で21.2dBは測定した9機種中4位だが,ファン回転時では25.6dBと,ファンの回転した7機種でトップだった。また,光ドライブ動作時の騒音は31.2dBで,GRとFXが他の4機種よりも10dB程度低い値を示した。

※1 計測機器/医療機器の開発・販売を行なうリオン(株)の協力で測定した。詳細は本誌P.116~P.117を参照。

本体背面内部。画面中央の金属製のパーツがハイパーサーマル機構。その下,プリンタポートの奥にCPUがある。
 GRは独自の冷却機構“ハイパーサーマルクーリング機構”を搭載している。純度99.96%の純銅製の受熱板がCPUの発熱を吸収し,口径の大きなヒートパイプで熱を放熱部へ伝え,ファンで排熱する。このファンの羽の形状を,扇風機のようなものではなく遠心ファン(水車のような形状)とし,さらに回転数をコントロールすることで騒音を低減している。



ハイパーサーマルクーリング機構。左半分が,CPUからの熱を吸収する純銅製の受熱板。右がクーリングファン。
 このハイパーサーマルクーリング機構は,筐体の薄型化,および軽量化にも貢献している。GRの前のバイオノートのフラッグシップモデルは「バイオノートXR」だった。XRは,“インタークーラーフラップ機構”という冷却機構を搭載していた。これは,ディスプレイを開けると本体後部底面がチルトスタンドのように開き,空気の通り道を作るというもの。ただし,この機構では本体後部を薄くすることができず,また機構自体の重量もあって,GRでは廃止することとなった。



カーソルキー。サイズ的にも問題なく,標準的。
 またXRは,ステンレスの板バネを内蔵するキーボード“ステンレスメカキー”も搭載していた。好評だったこのキーボードも,板バネがキーボードの底面に当たるときに発生する打鍵音の軽減と軽量化のために,プラスチックのムーブメントとゴムのクッションを使用したキーボードに変更した。このハイパーサーマルクーリング機構の開発とステンレスメカキーを潔くあきらめたことにより,14.1型液晶搭載モデルで比較すると,GRはXRより8.3mm薄くなり,約300g軽くなった。



原寸大のキーボード。キーピッチ19mmで,キーストローク3mm。キートップが平坦で,B5ノートのキーのようだ。
 なお,GRのキーボードだが,外見はA4ノートPCというよりも,むしろB5ノートPCのキーを大型化したように見える。キーが薄く(Enterキーの最厚部で2mm弱),平らな形状をしているためだ。ソニーによると,「(筐体を)薄くするためというよりは,フィーリングとバランスを考慮した」結果だというが,平坦なキートップを見ていると,薄さを追求したのでは? という印象を拭い去れない。あまりクリック感がないが,キーの印象は悪くない。しかし,右手の薬指が触れる「L」「O」「P」キーのあたりが,キーの底面に空洞があるような,べこべことした音がするのが気になった。キーピッチは19mmでキーストロークは3mmと,A4ノートPCとしては平均的な数値となっている。

 15型液晶を搭載したモデルのキーボードでは,Enterキーの右側に,Page UpキーおよびPage Downキーが並んでいる。キーボード右端から探るようにEnterキーをたたく癖のあるユーザーには慣れが必要だ。



タッチパッドとセンタージョグ。タッチパッドはユーティリティでカスタマイズが可能。センタージョグはカチッカチッと強いクリック感で回る。
 また,GRはタッチパッドの手前,パームレスト前縁中央に「センタージョグ」を装備している。Webブラウザのスクロールなどには重宝するが,デフォルトでは回転とクリックに合わせて音が鳴るようになっている。頻繁に使用することを考慮すれば,デフォルトでは消音にすべきではないだろうか。



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