「ワークフロー」とは、業務の一連の流れ(を電子化したもの)と考えていいだろう。見積もりや決裁書類、場合によっては発注書や精算書を、カーボン紙と判子ではなく、電子的に上司まで回覧し、書類を認証、しかるべき業務が行なわれる一連の流れといえる。
ワークフロー |
社内のみで流れる業務ならばまだいいが、たとえば見積もりをとって関連企業の工場に部品を発注し、さらにその流れに設計図が乗ってくる……といった複雑な話になると、企業間商取引も必要となって、さまざまなフューチャーが必要になってくる。こうした企業間のインフラを結合するのは、いままで述べてきたWebアプリケーションサーバの機能で実現されているわけだが、ロータス ドミノ R5では、ここにもう1つ、「メッセージング」という強力な機能がつけ加えられることになる。たしかに、ほかの製品でもメッセージング機能がついているものもあるが、ロータス ドミノ R5の場合は、その出自がグループウェアだっただけに、一日の長がある。まずは、ワークフローにメッセージング機能が加わると、どういった利点があるのかをまとめてみよう。
ワークフローにメッセージングが加われば、見積もりの時にディスカッションを(しかも複数で)行なったり、設計に関する仕様書を公開し、ネットワーク上で意見交換を行なうといったこともできる。受発注や書類認証といった、イメージ的には無機質なデータの流れに、人と人とのメッセージングをつけ加えることにより、よりスムーズな業務進行が可能になるだろう。
「メッセージング」の方法は、インターネット上のメール(SMTP、POP、IMAP4)でもいいし、掲示板でも何でも構わない。場合によってはチャットを使うこともあるだろう。こうした「コラボレーション」の機能を、ロータス ドミノ R5はすべて備えている。つまり、従来イメージされているWebアプリケーションサーバの機能を持ちながら、コラボレーションについて一日の長があるのがロータス ドミノ R5なのだ。
ロータス ドミノ R5では、すべてが統一された環境で動くという利点がある。メールのメッセージ、掲示板の書き込み、マイクロソフトのOffice製品で作成したものも含む、数々のドキュメント、そしてWebアプリケーションのデータは、すべてロータス ドミノ R5を仲介役として、もしくはロータス ドミノ R5のうえで連携できる。
Webアプリケーションでシステムを構築して、別途メールサーバやCGIによる掲示板を作り、Webアプリケーションにリンクを張る、といった手法に比べ、数々のデータを、統合された情報として、セキュリティのしっかりした環境下で使用できるのが、ロータス ドミノ R5の特徴なのである。
しかも、決して閉じられたシステムの中で行なわれているのではなく、あくまでインターネット標準のオープンな規格に則ってシステムを構築していくことが可能になるのだ。