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Domino for Linux徹底紹介

1999年10月21日 00時00分更新

文● 吉川

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 1999年8月に、米国のLotus DevelopmentのWebサイトにて、Sneak Previewが公開された「Lotus Domino R5 for Linux」だが、先日(1999年9月29~30日)行なわれた「LinuxWorld Expo/Tokyo'99」ではSneak Preview版が収録CD-ROMが配布され、また同バージョンのデモンストレーションも披露された。同CD-ROMの収録内容は、米国で公開されているLotus Domino R5 Sneak Previewと、日本語による簡単なインストール解説書(HTML)である。このCD-ROMは、会場で限定配布されていたのだが、月刊ASCII Network Pro新創刊号(1999年12月号 10月23日発売 1280円)の付録CD-ROMにも、インストール解説書を含んだものが収録されているので、ダウンロードなどを考慮するのであれば、購入をおすすめする。

 ここでは、ロータスが配布した解説書に従い、Sneak Previewをインストールし、そのレポートを行なう。なお、同解説書は、本記事末ページにも付録として収録したので、参考にされたい。

 インストールの流れそのものは、あとのページに譲るとして、まずはインストールした環境をご報告しよう。インストールに必要な環境は付録を参照していただきたいが、現在Domino R5 for Linuxを試用するのに、もっとも手軽な環境として、日刊アスキーではLASER5 Linux6.0を用意した。LASER5 Linuxは、現時点の国内ではRed Hat Linux6.0ともっともコンパチビリティが高いディストリビューションといわれる。Domino R5 for Linuxは、Red Hat Linux6.0上では、何の手を加えることもなく動作するとLotusは言っている。

 LASER5 Linuxは、あらかじめApacheやsendmailを外した状態でインストールした。これらWebサーバやメールサーバを動作させた状態でDomino R5 for Linuxを起動すると、不具合が起きる可能性がある、と注意書きにも記載されているからだ。

 Windows NT版の場合でも、Domino R5とIIS(Internet Information Server=Windows NTの標準的なWebサーバ)をデフォルトのまま動作させると、当然ではあるがポート80番がコンフリクトしてしまう。単純なミスだが面倒なことは確かだ。ちなみに、Domino R5は自前のWebサーバを持つのだが、Windows版の場合、設定すればIISをWebサーバとして使うことが可能だ。この場合、IIS上で動作するアプリケーションとDomino R5上のWebアプリケーションの両方を使用可能になり、もともとIISのシステムのうえでWebアプリケーションを構築していたシステムでも、Domino R5の導入が容易になるといったメリットが生まれる。インタビューのページを読んでもらえばわかるが、Domino R5では、ApacheもWebサーバとして使えるようにする計画がある。

 話が若干それたが、つまり、いらないサーバは一切入れずに、インストールを完了した。なお、Webベースの設定が必要なので、X Window SystemおよびNetscapeはインストールしている。

 ハードウェアは、CPUにMMX Pentium-200MHz、メモリ128MB、ハードディスクはIDEの3.5GBのものを使用した。特にメモリ容量において、Domino R5を稼働させるには、若干ストレスを感じるスペックだ。

 肝心のインストールだが、Linuxにさえ慣れていれば、とまどうことはないだろう。圧縮ファイル「5011lis.tar」を適当なディレクトリに展開し、展開したディレクトリの中の「Linux」ディレクトリにあるinstallスクリプトを起動するだけだ。

 だが、Linux(UNIX)に慣れていない、特にWindows NT上でDomino R5に接してきたユーザーの場合は、Linux上の約束事で悩む可能性がある。たとえば、installスクリプトの起動時に“./install”と入力すべき所を、単に“install”と入力してしまう、といったミスが、想定されるのだ。このミスを犯したテスターは多かったようで、実際に米国のNotes.netでもinstallスクリプト起動時の注意ということで書き込みがあった。

 では、インストールからサーバの起動までの大まかな流れを整理したうえで、実際の画面を見ていただこう。

  1. Linux上で、Domino R5管理用のユーザー“notes”を作成
  2. Linux上で、Domino R5ユーザー用のグループ“notes”を作成
  3. 5011lis.tarを任意のディレクトリに展開
  4. インストールスクリプトを起動
  5. インストールスクリプトに従い、インストール(このとき、ユーザー“notes”、グループ“notes”が必要になる)
  6. インストールが終了したら、Domino R5のWebベースのセットアップスクリプトを起動
  7. WebブラウザでDomino R5にアクセスし、Domino R5のセットアップを行なう

 手順7からは、Windows NTのDomino R5の設定手順と変わらない(ただし、メッセージなどは当然英語である)。installスクリプトを起動する前はLinuxの知識を、起動したあとは、Domino R5の知識が必要になると考えていいだろう。

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