塩澤一洋の“Creating Reed, Creative Mass.──大公開時代の羅針盤” 第20回
塩澤一洋の“Creating Reed, Creative Mass.──大公開時代の羅針盤”
自分と相手のエンジョイ
2008年10月05日 15時00分更新
私は大学で教師を始めたころから、「がんばってね」というフレーズを使わないように心がけている。がんばる必要なんてない、無理して背伸びをするのではなく、学生自身が等身大で着実に成長してほしい。本人が持っている能力を自然体で伸ばしていくことを望んでいる。だから「がんばってね」という言葉はふさわしくない。
そこで私は以前から、「楽しんでね」「楽しくやってください」と声をかけることにしている。アップルストアでめぐり会った「Enjoy it!!」は、まさにその「楽しんでね」が当たり前に使われている情景だったのだ。日本にいると「楽しんでね」といった表現を耳にする機会は非常に少ないので、なおさらうれしかった。
もちろん私が学生たちに楽しんでほしいと願っているのはアップルの製品(だけ)ではない。およそ生活のすべてにわたってのことである。
たとえば大学の学園祭。高校生のためのオープンキャンパスも開かれる。法学部ブースで受験を控えた高校生に応対していると、さまざまな質問をもらう。受験勉強、入試、大学生活、留学制度、クラブ活動、進路、就職……。そんな中、ある高校生から次のような質問を受けた。
(次ページに続く)
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