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失敗の創造性

2008年10月19日 15時00分更新

文● 塩澤一洋 イラスト●たかぎ*のぶこ

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失敗は創造のもと。失敗は成長のもと


01

 失敗は成功のもと。失敗するほど、失敗しにくくなり、成功に近づける。

 失敗は創造のもと。失敗するほど、表現が洗練されて、完成度が上がる。

 人生に失敗はつきものだ。エラー、失言、ミス、失策、へま、ドジ……。いろんな失敗があるけれど、長い目で見れば失敗は人生の糧になる。前進するためのエネルギーでもある。失敗は成長のもとなのだ。

 従って、たくさんの失敗を積み重ねられる環境は人を成長させ、創造性を高めてくれる。とりわけ、仕事の道具は大切だ。その点、Macは失敗に寛容なシステムだ。いやむしろ、失敗を歓迎し、失敗してみることを勧めるツールというほうがふさわしい。

 もっとも単純な例は、各ソフトの「編集」メニューにある「取り消す」メニューの存在だ。英語だと「undo(アンドゥー)」。いま行った動作を取り消し、ひとつ前の状態に戻すというコマンドだ。これがあるおかげで、「とりあえずやってみよう」という気持ちになれる。

 創造の道具として「やり直しがきく」という機能はきわめて有益だ。思いついたことをまずはやってみて、かたちにしてからその結果を見て決められる。心行くまで「試行錯誤」を繰り返せるのだ。試行錯誤によって思考を熟していくのである。

 これは、Macが「WYSIWYG(ウィジウィグ)」を重んじてきたことと関係が深い。WYSIWYGとは、「What You See Is What You Get.」の略。日本語にすると「いまあなたが画面で見ているものが、まったくそのままのかたちで得られますよ」という意味だ。

 たとえば、ワープロソフトで文字や写真をレイアウトしたときに、それをプリントアウトしたとすれば、いま画面上に映し出されているものとまったく同じである、ということ。書面へのプリントだけでなく、写真のレタッチでも、パワーポイントのスライドでも、音楽制作でも、ムービーの編集でも、およそ画面表示とアウトプットが一致しているのがWYSIWYGだ。


(次ページに続く)

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