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写真は未来を写す

2008年09月14日 15時00分更新

文● 塩澤一洋 イラスト●たかぎ*のぶこ

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時の流れの中で撮る、写真の本質は予測


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 写真はスティル。静的な表現だ。映画のようなモーションピクチャーと対をなす。表現された作品を見る限り、ムービーと違って動かない。確かに「スティル」だ。

 しかしその一方で、動かないはずのスティル写真を見て「時の流れ」を感じることもある。描写されている「その瞬間」の前後を想像させるチカラも写真にはあるのだ。

 時間の流れを「瞬間」によって表現するのが写真ならば、その撮影の基底には時間軸に対する意識が必要となる。時間が経過するにつれて変化する動的な対象を静的に捉えるからだ。そこで今回は、時間軸の観点から写真表現について述べたいと思う。

 「写真は未来を写す」と私は考える。写真は「今」を写すものではない。私にとって撮影とは、未来に対する「予測」なのだ。むしろ「予測」は、写真表現の本質であるといってもいい。撮影の各局面において予測が持つ意味を、順を追って見ていこう。

 写真を撮るためには、「カメラを持った自分」がその場所にいることが必要だ。これが絵画とは大きく異なるところ。つまり、「写真を撮りたくなるようなシチュエーションに遭遇しそうだ」という「予感」を主体的な「予測」に変えてカメラを持って出かけることが、撮影の第一歩だ。

 実はこれが意外と難しい。この予測を誤ると、いい情景に出逢ったのにカメラを持っていないとか、カメラは持っていてもバッテリーが切れていて撮れないということになる。これから出かける先で出逢いそうな風景や出来事を予測して撮影可能なカメラを準備することが、未来を写す撮影の始まりだ。


(次ページに続く)

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