塩澤一洋の“Creating Reed, Creative Mass.──大公開時代の羅針盤” 第21回
塩澤一洋の“Creating Reed, Creative Mass.──大公開時代の羅針盤”
肯定力
2008年10月12日 15時00分更新
肯定を採るか、否定を採るか。まずは言葉のチカラから
いま、社会に必要なものは「肯定力」だ。会議で意見を言ったり企画書を作成するといった職場はもとより、教育の場で生徒や学生に話すとき、友人と切磋琢磨するとき、家庭で家族と語らうとき──あらゆる場面で人の成長に必要なチカラ、それが肯定力だ。現状を肯定して受け入れ、人や物事のプラス面を見つけ、ポジティブに評価し、肯定的なフィードバックを送り、表現に肯定的な言葉を用いる。こういった姿勢の総体が肯定力なのだ。
たとえば、ワインが半分入ったボトルを見たときの反応。「あと半分ある」と言うか、「もう半分しかない」と言うか。単純な現象の捉え方さえ二面性がある。
物事を肯定すると気分がいい。表情はニコニコ。朗らかな気持ちになり、その場の空気も明るくなる。肯定も否定もできる場面で、肯定するほうを選ぶ能力。一見すると肯定できそうにない場面でも、肯定的な側面を見つけて評価することができる能力。それが肯定力である。
人生は選択の連続。自分の周囲に起こった出来事を肯定するか否定するか。生活のさまざまな局面において、その二者択一を迫られる。そのときに肯定的なほうに着目し、肯定的な道をたどって進む生き方。それは「肯定系」ともいえる脈絡を持つ一貫した道筋なのだ。
(次ページに続く)
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