このページの本文へ

平成20年度富士総合火力演習レポート(中編)

後段演習開始!全兵科協同の技を見よ!!

2008年09月09日 20時00分更新

文● 片田 本朔 / 写真と解説● 藤吉 隆雄・吉田/Webアキバ編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 演習には実戦配備されているものしか登場しないので、試作戦車などは来るはずもない。が、そこはそれ、何か珍しいものはないかものと展示会場を回っていると……。
なんと今年初登場の機体があった。

遠隔操縦観測システム(FFOS)

いわゆる無人偵察機である。大分県湯布院駐屯地に配備されたばかりの最新鋭機。戦場での偵察はもちろんだが、放射能汚染地域や化学災害現場など活躍の場は多い。

近くにいた隊員に質問してみた。

航続距離は何キロぐらいですか?
「それはちょっと」

では、どのくらい飛ぶのですか?
「射撃の届く範囲以上は飛びます」

と分かりやすい回答がきた。榴弾砲や多連装ロケットシステムの射程をカバーするということだ。40キロ以上は偵察できるようだ。
 実際には飛ばなかったが、これを飛ばすには発進・回収装置、追随装置、整備支援装置などなど各種装置を展開しなければならない。飛ぶところを見たかった。

遠隔操縦観測システムの無人ヘリコプター

今年初展示された遠隔操縦観測システムの無人ヘリコプター。特科教導隊第303観測中隊の所属

♪敵に渡すな、大事なリモコン♪ってヤツですな

遠隔操縦観測システムのアンテナ。いってみれば巨大なリモコンである

アパッチ

日曜の本番では他のヘリも展示されたが、土曜の午後の展示予行ではヘリはアパッチのみ展示。なんでも、この日の天候で着陸してしまうと、安全基準上、離陸できなくなる可能性があって、そうなると夜間演習を中止にせざろうえないからとのこと

AH-64D

AH-64Dを前にして筆者は「30mmチェーンガンだ、スティンガーだ」と興奮状態だったがY戦車部長は違う見方をしていた

メメントモリ

Y戦車部長撮影・メメントモリ、あるいは AH-64の光学観測装置のレンズに写った自分

 最後に藤吉カメラマンが偵察バイクのジャンプ台を指さした。
「ここに来たらこれを見ないとね~」

アヒル

偵察教導隊のバイク・ジャンプ・チームは、例年、ジャンプ台の下に「ジャンプの神様」と呼ばれる大きな石を置いている。訓練期間中は早朝の点検射の時間帯にこの石にお祈りしている。だが、今年はその位置に石はなく、かわりに謎のアヒルの人形たちが

 藤吉カメラマンがのぞき込むのにつられてジャンプ台の下を覗いてみると、「アヒルちゃん」が隊列をなしていた。「皆は鳥」、「ブレーキかけるべからず」など隊員が熱いメッセージが書き込まれている。

アヒル

それぞれのアヒルには、ジャンプする隊員たちの思いがさまざまにつづられていた。汗や涙が描き加えられているのが何とも……

後段演習も無事終了し、残るは夜間演習の取材のみ!
しかし特別取材班を待ち受けるのは大いなる自然の猛威なのであった……
ということで後編「見た!撮った!これが「夜戦」だ!! 照明弾煌めく総火演・夜間演習徹底レポート」に続く。

■Amazon.co.jpで購入

(次ページへ続く)

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ