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呉軍港めぐり……大和ミュージアム編

戦艦大和、未だ沈まず

2008年08月23日 12時00分更新

文● 吉田/Webアキバ編集部

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「大和ミュージアム」とは

 正式名称「呉海事歴史科学館」、通称「大和ミュージアム」は、2005年4月23日に開館した戦艦「大和」を中心とした呉の歴史資料、そして船舶等に関する展示を行なっている博物館だ。広島県呉市にあり、目の前に広がる青い瀬戸内海を見渡せる港の一角に設けられている。この呉港だが、戦前は日本海軍の軍港として、重要な役割を担ってきた。現在でも海上自衛隊の有力な基地となっており、各種艦船が在籍している。
 この「大和ミュージアム」は、日本海軍の戦艦「大和」についてだけではなく、その海軍と共に成長した呉の歴史、そしてそこで培われた技術について知ることができる博物館となっている。

「大和ミュージアム」外観

「大和ミュージアム」外観

「大和ミュージアム」の概要

 本館は呉市が設立した施設だが、2008年4月から民間活力の活用と言うことで運営の一部を民間会社に委託している。基本的に観覧は有料だが、「大和ミュージアム」友の会会員になれば無料だ。
 ちなみに「大和ミュージアム」の運営方針は、取材時に同館の方にお話を伺ったが、基本的に「資料・事実の展示は行うがその解釈は見た方に委ねる」とのポリシーだそうだ。歴史的な事実は一つでも解釈は多岐に渡ることが多いわけで、基本的にはそれらに介入せず淡々と事実だけを列挙する、ということなのだろう。
 そして一番の特徴は何と言っても展示物の豊富さだ。目玉の1/10「大和」、実物の零戦や特殊潜航艇、そして実際に艦艇に搭載されていた各種機器や兵装などが目白押しだ。これほどの数の旧日本海軍の兵器や装備がまとまって展示されている施設は、他は遊就館くらいだろう。すでに旧軍消滅から60数余年を経て、実際に旧軍を知る人も少なくなっている昨今、本来なら国が散逸した歴史資料や各種装備を保存するために同様な施設を作るべきとは思うが、なかなか難しいのだろう。先だって零戦の取材でいくつかの施設を廻ったが、国立の施設で零戦を展示するのですら結構難しいのだそうだ。国立科学博物館でも、あくまでも純粋に日本の航空技術コーナーの一部として展示している訳で……。

ということで次のページではお待ちかね1/10「大和」が登場だ!!

(次ページへ続く)

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