トヨザキ社長のモテ本100本ノック 第3回

男としてのスキルを磨く

今月は石田衣良でモテる

（1）中年太りとは無縁。
（2）友人も全員、勝ち組。「オーヘントッシャン18年、シェリーカスク」なんてシングルモルトをオーダーしたり、ヒューゴ・ボスのスーツを着たりするようなタイプのお友達と、若男子より自分たち世代の中年のほうが何もかもが上だという話をするのが大好きです。
（3）セックスが巧い。決して自分本位なプレイはいたしません。女性を絶頂に導くためならなんでもし、言葉責めもとっても上手です。しかも、先述したように絶倫。ほえー。
（4）仕事ができる。仕事の愚痴はこぼさない。〈ほとんどの男たちは、自己愛が強すぎるのではないかと雅人は思うことがある。自分の苦労や努力ばかり、めそめそと過大評価するのだ。努力ならゴミ袋を漁る都会のカラスだって、早朝からやっている〉んだそうです。
（5）つきあっている女性すべてに気配りをたやさない。雅人の夏休みの内訳は、妻の実家で1泊、都内のホテルで愛人と1泊、高級個室旅館で千映と1泊。
(6)自信家。愛人に超高層ホテルの窓に手をつかせ、Hをしながら〈自分は東京という街とセックスしているのだ〉なんて誇大妄想にふけることができるくらいに。
(7)こりない。全女性が自分のもとから去っても、一晩やけ酒飲めば自信回復。またナンパができるくらい学習能力が低いんですの。

　モテへの道は高く険しく愚かしい。どうですか。こんな中年になりたいですか、なれますか。オデが男だったらなりたかねーなー。

＊<>内は引用箇所を表しています

■社長の箴言

人生勝ち組オヤジは反面教師

■今回のオススメBOOK（Amazon.co.jp）

• 『夜の桃』石田衣良（著）新潮社（刊）
• 『不信のとき〈上〉』有吉佐和子（著）新潮社（刊）
• 『不信のとき〈下〉』有吉佐和子（著）新潮社（刊）

豊崎由実（Yumi Toyozaki）

1961年生まれのライター。「本の雑誌」「GNIZA」などの雑誌で、書評を中心に連載を持つ。共著に『文学賞メッタ斬り！』シリーズ（PARCO出版）と『百年の誤読』（ぴあ）、書評集『そんなに読んで、どうするの？』『どれだけ読めば、気がすむの？』（アスペクト）などがある。趣味は競馬。