このページの本文へ

BDレコ購入指南 第2回

BDレコーダー、10の疑問と5つの地雷

2008年07月01日 17時10分更新

文● 西川由美子

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

Q2 録画モードの意味がわからないんです

A2 BDレコーダーのカタログを見ると、数々の録画モードや映像記録方式が掲載されている。ここではデジタル放送録画に使われているものを説明していこう。

店頭では録画モードのデモが行なわれていることもある。実際に目にするとその差は一目瞭然だ

 まず、地上デジタル/BSデジタル放送のハイビジョン映像をダイレクトに録画する「DRモード」。これはデジタル放送のデータを変換することなく、そのまま記録するというもの。

 機種によっては「TSモード」と呼ぶものもある。ここで使われている映像圧縮方式はMPEG-2。このモードを使って録画をする際は、HDDへ一旦記録するのが基本。BDへの直接録画ができないモデルが多いので注意しよう。

パナソニック「DIGA」の録画モード設定画面

 一方、よく目にするのがMPEG-4 AVC(もしくはH.264)という録画方式。これはデジタル放送のハイビジョン番組の映像(MPEG-2)よりも圧縮率が高いフォーマットを採用した方式で、具体的には「XRモード」や「XSRモード」などがそれにあたる。

 地上デジタル放送では最大17Mbps、BSデジタル放送では最大24MbpsのMPEG-2形式が採用されているが、解像度を保ちつつ画質もほとんど劣化させずにサイズを圧縮できる。「何倍録画」とカタログに謳われているのはこの機能のこと。例えばシャープの「HDW30」の場合、5分の1にサイズを圧縮して録画できる。ただし、変換にはかなり長時間(基本的には実時間)かかってしまう機種が多いので注意しよう。

 ちなみにビットレート(単位はMbps)とは1秒あたりのデータ量のこと。同じ記録形式であれば、基本的には数値が大きければ大きいほど高画質となる。

 なお、DRモードでダイレクトに録画したMPEG-2方式の番組をMPEG-4 AVC方式に変換するといった具合に、動画の記録方式を変更する処理を「トランスコード」と呼ぶ。

お詫びと訂正:掲載当初、パナソニック「DIGA」シリーズは、同じMPEG-4 AVC方式の「HGモード」を「HXモード」に変換できるとしていましたが、このような機能は実装しておりません。お詫びすると共に訂正いたします。(2008年7月7日)

Q3 DVDにもハイビジョン録画できるの?

A3 ハイビジョン放送が普及するにあたって、記録用の映像圧縮技術は進歩している。特に、先にあげた「MPEG-4 AVC」の登場で、録画方法も多様になった。価格が下がったとはいえ、BDのメディアはまだまだ500~700円程度はするので、安価なDVDメディアに番組を保存しておきたいというニーズはあるだろう。

当然だが、BDレコーダーでもDVDメディアへの書き込みは可能。そこで気になるのはHD画質での書き込みだ

 今までは、ハイビジョン記録はHDDかBDのみというのが当たり前だったが、容量の少ないDVDへのハイビジョン記録を可能にしたモデルが増えてきた。それを実現したのが「AVCREC」という方式だ。

 AVCRECはMPEG-4 AVCでDVDへの長時間録画を可能にしたもので、あくまでもDVDにハイビジョン放送を記録するための方式だ。HDDやBDにMPEG-4 AVC形式で記録しても、この名称を使うことはない。現在、パナソニックと三菱電機がAVCREC対応BDレコーダーを発売している。逆に「MPEG-4 AVCでの記録はできるが、AVCRECには対応していない」という機種もあるため注意しよう。

 また一方で「AVCHD」という規格もある。こちらはソニーやパナソニックが中心となって決めた、ビデオカメラ用のハイビジョン記録方式だ。こちらもMPEG-4 AVC方式を採用しており、長時間のハイビジョン記録が可能になっている。この方式に対応しているBDレコーダーはパナソニック、ソニー、三菱電機の3社。なお、AVCHDの再生に対応したパソコン用DVD再生ソフトが多いことも知っておくといいだろう。

地雷その2 友だちに作ってもらったDVDが再生できない?!

 ハイビジョン映像を録画したDVDを人に渡すときは要注意。うっかり適当なモードで書きこんでしまうと、渡した先のプレーヤーでは再生できない可能性があるのだ。

 例えば、AVCREC形式でDVDに記録した場合、再生できるのは同形式に対応したプレーヤー(またはレコーダー)のみだ。DVD-Rだからと言って、なんでもかんでも問題なく人に渡せると思ったら大間違いだ。

カテゴリートップへ

この連載の記事

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中