国家資格は「アプリケーションエンジニア」と「プロジェクトマネージャ」
数ある高度系試験の中でも、実用性を考えれば「アプリケーションエンジニア」と「プロジェクトマネージャ」の2つは取得しておきたいですね。この2つの試験は、今は両方とも“秋期試験”での開催ですが、新試験(平成21年度)からは、プロジェクトマネージャが“春期試験”に移動したので、1年間に両方受験できるようになりました。そこで、ひとまずこの2つの習得を並行して目指しましょう。
アプリケーションエンジニア
試験センターの定義は「情報システム開発プロジェクトにおいて、プロジェクト計画に基づいて、業務要件分析からシステム設計、プログラム開発、テストまでの一連のプロセスを担当する者」。簡単にいうとSEの資格です。30年以上(旧制度:特種情報処理技術者)にわたって行なわれているのに、それでも約20人に1人しか持っていないので、市場価値もそこそこあります。ソフトウェア開発技術者の後に欲しい資格です。
プロジェクトマネージャ
試験センターの定義は「情報システム開発プロジェクトの責任者として、プロジェクト計画の作成、要員などプロジェクト遂行に必要な資源の調達、プロジェクト体制の確立及び予算・納期・品質などの管理を行ない,プロジェクトを円滑に運営する者」。こちらは、テクニカルではなくマネジメントの資格になります。ただ、この時期に期待されるのはプロジェクトを成功させることなので、仕事には見事にマッチしている資格です。
(詳細:http://www.jitec.jp/)
国家資格でいうと、35歳までに上記の2つの資格が取得できればひとまず安心です。しかし、もう少し欲を出せば(欲を出すときりがないのですが…)、もちろん他の資格も持っているに越したことはありません。そこで“取得できればラッキー”という程度に軽く考えて、他の高度系も狙ってみましょう。いくら受験したいと思っても、年に2回しかないんですからね。
ベンダー資格はコストがかかる
一方、ベンダー系資格についても考え方は同じです。希少性のあるものを中心に狙っていけばいいわけなのですが、ひとつだけ問題があります。それは ベンダー系の資格のうち、ハイレベルで市場価値の高いものは、コストが半端じゃないのです。
例えば、プロジェクトマネージャの資格である「PMP(Project Management Professional)」。この資格は比較的コストがかかりませんが、それでも受験時には約15万円(受験資格に必要な講習会受講や通信教材の購入費、受験費用など)ほど必要となります。
またそれ以外の資格でも、受験費用が高額な上に有料研修の受講が受験資格となっていたり、資格維持費用(年会費や維持研修の受講費用などがかかる資格が多い)などあり、とても個人で扱えるものではない額が必要となります。それゆえ筆者はベンダー資格に関してはあまりお勧めしていません。ただ、会社が費用を出してくれるなら、それは大きなチャンスです。積極的にチャレンジしましょう。
PMP(Project Management Professional)
PMI(Project Management Institute)が実施および認定している国際資格。プロジェクトマネジメント(PM)に関する知識、理解度をはかることを目的に実施されている。情報処理試験のプロジェクトマネージャに比べると、基礎理論の習得というイメージが強い。合格者数の累計は、2007年8月末現在、全世界24万7698人、日本在住2万462人(PMI東京公表数字)。
(詳細:http://www.pmi-tokyo.org/02/000200.html)
(次ページに続く)
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