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「人のやったことはやらない」がポイント!?

飯島博士オメデト! カーボンナノチューブでカヴリ賞

2008年05月30日 17時54分更新

文● 新 淳一/アスキーネタ帳編集部

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飯島澄男博士

第1回カヴリ賞(ナノ科学部門)の受賞が決まった飯島澄男博士

 名城大学の飯島澄男博士第1回カヴリ賞(ナノ科学部門)を受賞することが決定した。……カヴリ賞?

 カヴリ賞(The Kavli Prize)は、ノルウェー出身の米国人企業家フレッド・カヴリ氏の提唱で本年度から設立されたできたてホヤホヤの科学賞。カヴリ財団とノルウェー教育研究省、ノルウェー科学人文アカデミーの共同事業となっており、権威もたいそう立派なもの。選考委員会のメンバーのうち4人はノーベル賞受賞者なんだとか。

 カヴリ賞は、今回飯島博士が受賞したナノ科学のほか、天体物理学神経科学の3部門からなる。賞金は100万ドル(約1億400万円)で、130万ドルのノーベル賞にもほとんど遜色ない。日本が誇る権威ある賞としては、松下幸之助氏の“畢生(ひっせい)の志”としての寄付が肝入りとなって実現したという日本国際賞があるが、その賞金は5000万円。おっと、別に金額じゃありませんね、蛇足でした。ちなみに飯島博士は、ノーベル賞候補者としても頻繁に名前が挙がる方なので、今回の受賞もしごく当然という気がします、はい。

 飯島博士は現在、名城大学に籍を置くほか、同時にNEC特別主席研究員、独立行政法人産業技術総合研究所ナノチューブ応用研究センター長をつとめている人物。1991年、NECに在籍していたときに(当時、NEC基礎研究所主席研究員)、「カーボンナノチューブ」を発見したことで知られる。カーボンナノチューブは、ナノテクノロジーを支えるキー材料の1つと言われ、鋼鉄より高い強度、作り方しだいで半導体にも金属にもなる特性、優れた熱的特性など、ユニークな特性を持つ。

 そんなカーボンナノチューブだが、飯島博士がそれを発見するに至ったエピソードがまた、ちょっぴりいい話だったりする。

(次ページへ続く)

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