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池田信夫の「サイバーリバタリアン」第2回

ウェブを「匿名の卑怯者」の楽園から脱却させるには

2008年02月05日 09時00分更新

文● 池田信夫(経済学者)

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言論の壊滅した日本のブログ


 私のブログは、1月の累計アクセスが100万ページビューを超えた。

 ブログ検索サービスの「テクノラティ」によれば、過去半年間に869個のサイトから4023のリンクが張られ、日本のブログで29位だ(2月4日現在)。コメントも、多いものではひとつの記事で100を超え、管理の負担が限界に近づいている。

はてなブックマーク
ブックマークサービスの「はてなブックマーク」

 外部のブログや掲示板からの匿名の中傷も多い。かつては、そういう投稿は2ちゃんねるに集中していたが、最近はそのアクセスは最盛期の半分以下になった。

 その代わり匿名の卑怯者が、はてなブックマークや匿名ブログなどに拡散している(関連記事)。Wikipediaも、日本語版は「荒らし」が多く、異常に匿名IP(数字だけのID)が多い、と創立者ジミー・ウェールズが驚いていた。

 先日、はてなブックマークで私の記事に「死ねばいいのに」というタグをつけた者がいたので、はてなの近藤淳也社長に抗議したところ、侮辱的な表現を執拗に書き込むユーザーについては対策を検討している、との返事が昨年12月11日に来た。しかし、具体策は今のところ取られていない。はてなの社外取締役である梅田望夫氏は、次のように言う。

 ブログの上にわっとくる「炎上」というのがあるが、普通にやればそんなことは起きない。本を読んでそれに対する感想をブログに書いたり、日常生活でこんな楽しいことがあったと書いたりとかしたときに、そんなところに変なことを言ってくる人はいない。しかし、イデオロギーとか政治にかかわることとか、あるいはアイドルをけなすとかはだめ。


 たしかに人畜無害な話ばかりしていれば、誰も批判しないだろうが、そんなメディアには存在価値もない。はてなが「イデオロギーとか政治にかかわる」発言を封殺する暗黙の言論弾圧の装置になっていることに、彼は気付いているのだろうか。

 おかげでテクノラティのランキングをみても、日本のブログの上位は芸能人やオタク系ばかりだ。米国では、ノーベル賞の受賞者がブログを開いていたりするが、日本ではそういう専門的なブログはほとんどない。もともと日本人は公開の場で議論するのに慣れていない上に、それに対する反応が匿名の罵倒ばかりなので、「ブログは恐い」というイメージができてしまったのだ。

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