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【レポート】Internet Week 2007が閉幕――IPv4アドレス在庫枯渇問題など多くの課題が明確に

2007年11月24日 20時29分更新

文● 編集部

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 (社)日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)が主催するインターネット関連技術者の交流イベント「Internet Week 2007」が22日、閉幕した。今回のInternet Weekはそのスタイルを大きく変えての開催となったが、情報共有や議論という面からはより密度が上がったように見える。本レポートでは、そのInternet Week 2007の中からいくつかの話題を採り上げてレポートする。

.JPのDNS運用は順調


DNS DAY ~運用管理のあり方~の一幕
Internet Week 2007初日の「DNS DAY ~運用管理のあり方~」会場の一幕

 初日の「DNS DAY ~運用管理のあり方~」では、最新のDNS運用状況や関連動向についての報告や議論が行なわれた。この中で、(株)日本レジストリサービス(JPRS)の松浦孝康氏から、集中監視センターを構築し運用を開始したことや、DNSのゾーン情報を暗号化し、よりセキュアな転送を始めたことなどが報告され、JP DNSの安定運用が順調であることが報告された。

 また、JPRSの米谷嘉朗氏がコーディネーターを務めたパネルディスカッションでは、DNSの利用が本来の“名前解決”以外にも使われるようになり、その重要性が増す中で、DNS運用者の負担も増えており、その対策などが求められるようになってきていることについて議論が交わされている。議論の結論としては「専門家のサービスを使いましょう」ということではあったが、「叱られることはあっても誉められることのない仕事」とも言われるようにモチベーションをどのように維持するかも話題のひとつとなった。

 DNSは、インターネットにおいて縁の下の力持ち的な存在ではあるが、もう少し脚光を浴びてもいいのではないだろうか。



IPv4アドレスの在庫が枯渇する


IPv4アドレス在庫枯渇問題を見通すの会場の様子
2日目の「IPv4アドレス在庫枯渇問題を見通す」会場の様子

 2日目の「IPv4アドレス在庫枯渇問題を見通す」では、IPv4アドレスの在庫枯渇問題についての情報提供と議論が行なわれた。IPv4アドレスの在庫枯渇問題とは、IPv4アドレスを管理している側に新しく配布できるIPv4アドレスの在庫がなくなってしまうことで、新しくサービスを始めようとしている事業者に多大な影響が出てくることをどのように解決していくかという問題である。

 以前にも「IPv4アドレスの枯渇問題」が提起されたことはあったが、その際には“CIDR”(Classless Inter-Domain Routing)や“NAT”(Network Address Translation)といった技術によって回避した経緯がある。ただし、今回は事情が違う。各方面で行われた見積もりでは、2010年には全世界のインターネット資源を管理しているIANA(Internet Assigned Numbers Authority)が持っているIPv4アドレスの在庫がなくなる可能性があるということだ。

 このための対策として、プライベートIPアドレスとNATを使う方法や、IPv4アドレスを市場取引に任せる方法、そしてIPv6に移行していく方法などが提案されているが、いずれの方法でも多くの問題を抱えていることがJPNICの前村昌紀氏や総務省の高村 信氏などから報告されている。

 この詳細については、JPNICの「IPv4アドレスの在庫枯渇に関して」や総務省の「インターネットの円滑なIPv6移行に関する調査研究会」に書かれているので参照したほうがいいだろう(下記関連サイトを参照)。



AS番号の枯渇のほうがIPv4アドレスの枯渇より早い


IP Meeting/Internet Forum 2007の会場4日目の「IP Meeting/Internet Forum 2007」の会場

 4日目の「IP Meeting/Internet Forum 2007」では、午前の部で今年一年の動向を振り返り、今後の展望に関するレポートが行なわれ、午後の部でネットワークはどうあるべきなのかをテーマとしたパネルディスカッションが行なわれた。この中で、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)(NTT Com)の吉田友哉氏が担当した「ルーティング・トポロジ動向」で2つほど注意すべき話題がある。ひとつは「トラフィックが依然として増加傾向にある」ということ、もうひとつが「2オクテットのAS番号が枯渇する」ということだ。

 まず、トラフィックの増大については、ここ数年は平均して1.4倍程度の伸びになっており、ISP(インターネット接続業者)やIDC(データセンター)の相互接続ポイント“IX”(Internet Exchange)のトラフィックが300Gbpsを超えたことや、このペースで行くと、すでに721.7Gbpsとなっている日本のブロードバンドトラフィックの総量が2008年には1T(テラ)bpsを超える可能性があるということが示された。また、ルーティングに関しても、経路情報が24万件を超えて増え続けていることが報告されている。

 2オクテットのAS番号が枯渇するという問題については、4オクテットのAS番号を配布することで対応することが示された。AS番号とは、インターネット上で自律した(経路制御の単位となる)ネットワークに振られる番号のことで、現在は2bytes(2オクテット)の長さがある。4オクテットのAS番号というのは、すでに配布が開始されているが、2009年1月からはデフォルトで4オクテットAS番号を分配するようになるという。

 この詳細については、JPNICの「4バイトAS番号割り当て開始のお知らせ」にも書かれているので、こちらも参照しておいたほうがいいだろう。すでに2オクテットAS番号で運用されているところが4オクテットAS番号に移行するといったことは必要ないが、いずれにしてもネットワーク運用者としては知っておくべき内容だろう。


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