仕事が楽しい! 人生が楽しい! 奧山 睦氏が語るSEのためのキャリアデザイン 第8回
第8回 「心のクセ」は誰にでもある! 自分の弱点を知り、ストレスを上手に乗り切ろう
2007年02月06日 00時00分更新
ですから、自分の「認知のゆがみ」のパターン、つまり「心のクセ」を知って、それを修正したり、柔軟性の高いものに変化させることができれば、気分を改善し、自分の感情をコントロールすることができます。この自分の「心のクセ」を知るための考え方として、「自動思考」と「スキーマ」というものがあります。
「自動思考」というのは、ある状況に置かれたときに、次から次へ沸き起こってくる思考・イメージのことです。一方「スキーマ」というのは、その人の基本的な人生観や人間観のことです。スキーマは生まれながらの素質や過去の体験から作られます。そしてそれが何らかのショッキングな出来事がきっかけとなって、自動思考を生じさせるもとになります。
たとえば、「私は何をやっても失敗ばかりする」と思っている人は、他人の何気ない言葉に敏感に反応するようになってしまいます。それに関連したスキーマがよみがえり、その影響で「認知のゆがみ」が出てくるのです。 この認知のゆがみには主に以下のような特徴があります。
●認知のゆがみの10パターン
1. 全か無か思考(all-or-nothing thinking)
ものごとを見るときに、「白か黒か」という両極端の見方をしてしまうこと。「完全に~である」、「決して~でない」といった考え方をいつもしてしまう。
<例>
自分のやった仕事にほんの少しのミスがあっても「完全な失敗だ」と思う。
2.一般化のしすぎ(overgeneralization)
1つの良くない出来事があると「いつも決まってこうだ」、「うまくいったためしがない」など、「いつも~」と考えてしまう。
<例>
同僚に仕事のサポートを一度だけ断られただけなのに、「いつもこうだ。自分は決して同僚とうまくつきあうことなんかできない」と考える。
3. 心のフィルター(mental filter)
1つの良くないことにこだわってくよくよ考え、他のことはすべて無視してしまうこと。「心のサングラス」とも言う。
<例>
客先へある企画をプレゼンテーションしたとき、ほとんどの人からは、大変評判が良かったのに、一部の人から受けた些細な批判が頭から離れなくなる。
4.マイナス化思考(disqualifying the positive)
良いことを無視するだけでなく、なんでもないことや良い出来事を悪い出来事にすり替えてしまうこと。
<例>
いつも自分は能力がないと考えていると、たとえ仕事がうまくいっても「これはまぐれに違いない」と考える。また、仕事がうまくいかないときには、「やっぱり、自分は何をやってもダメなんだ」といつも悲観視してしまう。
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