仕事が楽しい! 人生が楽しい! 奧山 睦氏が語るSEのためのキャリアデザイン 第10回
第10回 部下も上司も“やる気”がない!? SEを襲う「モチベーション・クライシス」に立ち向かおう!
2007年03月06日 00時00分更新
「モチベーション」とは、仕事に対する動機づけ、やる気、意欲のこと。それに対して「モチベーション・クライシス」とは、働く意欲の危機という意味です。「最近、どうもやる気が出なくて……」という方は、今一度、自分を振り返ってどうすれば意欲が持てるかを考えてみましょう。
自分の欲求を満たせるから、やる気はでるのだ!
衛生要因と動機づけ要因とは
アメリカのケース・ウェスタン・リザーブ大学大学の心理学教授であるフレデリック・ハーズバーグ(Frederick Herzberg) が唱えた「モチベーション理論」というものを、まず紹介したいと思います。ハーズバーグは、人間のモチベーションについて研究し、人のやる気の理由を「衛生要因」と「動機づけ要因」とに分類しています。
ハーズバーグは自身の研究の中で、ピッツバークのエンジニアと会計係200人を対象にアンケート調査を実施し、「仕事をしていて、どういう場面で特に良い気分や悪い気分になるか」を自己分析させ、その結果を報告しています。
この調査で、満足感につながるものは、達成感、人から認められること、仕事の性質そのものへの充足感、責任感、進歩などであることがわかりました。
一方、不満につながるものは、企業の方針、職場環境、給与、地位、雇用の保証に関連することが多いという結果が出ました。
この研究成果を受けて、後の著書「仕事と人間性」では、「人間には2種類の欲求、つまり苦痛や不満を避けようとする動物的な欲求と、心理的に成長したり自己実現をしたいなどの人間的が欲求がある。そして、これらの欲求の引き金となるもの、つまり不満の種となる要因(たとえば職場環境、給与など)は衛生要因、満足を与え、やる気を起こさせる要因(たとえば他人からの評価など)は動機づけ要因である」と記しています。
また、さらにハーズバーグは「不満へとつながってしまう衛生要因を克服して、一時的な苦痛から自分を解放しても、もっと深い満足感、つまり動機づけ要因がなければ、すぐにその開放感も消えてしまう」とも示唆しています。
図1●衛生要因と動機づけ要因 |
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